処遇改善加算では、「誰の賃金を改善できるか」「どの経費を賃金改善額に含められるか」が実務上の重要なポイントです。この記事では、賃金改善の対象者と対象経費について解説します。
配分の対象者は「全職種」に及ぶ
加算の事業所内での配分は、福祉・介護職員に限らず、福祉・介護職員以外の全職種も対象にできます。
例えば、施設長・管理者、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者、看護職員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、相談支援専門員、保育士、栄養士、調理員、事務員などが含まれます。
経験・技能のある福祉・介護職員の処遇改善を重視しつつ、事業所内で柔軟に配分できる仕組みです。
年収460万円以上の職員も対象にできる
旧特定加算とは異なり、令和8年度以降は、改善前の賃金が年額460万円以上の職員も配分対象に含めることができます。
外国人材も対象になる
次の外国人材も、賃金改善の対象となります。
- EPAによる介護福祉士候補者
- 技能実習生(介護職種)
- 1号特定技能外国人(介護分野)
これらは「日本人が従事する場合と同等以上の報酬」を受けることが前提とされているため、対象となります。
派遣・出向・業務委託も対象にできる
派遣労働者についても対象とすることが可能です。
派遣元と相談し、加算を原資とする派遣料金の上乗せが派遣職員の給与に反映されるよう協議したうえで、計画書・実績報告書に含めて作成します。
在籍型出向者・業務委託職員も、派遣職員と同様に扱うことができます。
法人本部・役員はどうか
法人本部の職員は、加算の算定対象となるサービス事業所における業務を行っていると判断できる場合には、対象に含めることができます。
役員についても、その事業所の職員として障害福祉サービス等を提供している場合は、対象に含めて差し支えありません。
例えば、職員が一人で、サービス等利用計画作成業務等を代表取締役等の役員が行っている計画相談支援事業所などが該当します。
対象経費(賃金改善額に含められるもの)
賃金改善額には、次のものを含めることができます。
- 基本給・手当・賞与等(退職手当は除く)
- 賃金改善に伴う「法定福利費等の事業主負担の増加分」(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料等。概算計算も可)
なお、任意加入とされている制度に係る掛金の増加分(退職手当共済制度等)は含みません。
むすび
処遇改善加算の配分対象は、福祉・介護職員にとどまらず、全職種、さらには外国人材・派遣・出向・業務委託まで広く認められています。
また、賃金改善額には法定福利費等の事業主負担の増加分も含めることができます。
誰に・どの経費を配分するかを正確に把握することが、計画書作成の前提となります。
