処遇改善加算の取得では、処遇改善計画書の作成が出発点となります。
この記事では、計画書作成の核心となる「賃金改善の基準点」の考え方と、準備すべき根拠資料について解説します。
処遇改善計画書とは
処遇改善計画書は、その年度に「どの職員の・どの賃金を・いくら改善するか」を事前に示す計画書です(別紙様式2)。これが加算算定の前提となり、年度終了後の実績報告書と対で運用します。
作成の流れ(別紙様式2)
作成は、まず基本情報の入力シートに必要事項を入れ、次に別紙様式2-2(4月・5月分の個表)、続いて別紙様式2-3(6月以降の個表)を作成します。そして、これらをまとめる別紙様式2-1の総括表を作成し、指定権者に提出します。令和8年度は4月・5月と6月以降で加算率などが変わるため、個表が分かれています。なお、計画書の記入方法については、厚生労働省がYouTubeで解説動画を公開しています。
記載の核心|賃金改善の「基準点」
賃金改善額は、加算によって改善した後の賃金水準と、加算がない場合の賃金水準との比較で算出します。
「加算がない場合の賃金水準」の取り方は、原則として、初めて処遇改善加算・旧3加算等を算定した年度の「前年度」の賃金水準とします。
この賃金水準を推計することが困難な場合は、特例として、令和7年度の賃金から、加算・交付金等を原資とした額を控除して算出した賃金水準としても差し支えありません。
職員構成が変動している場合
職員の増減・入れ替わり等により、前年度との比較が適切でない場合は、加算を除いた報酬総単位数の見込みに基づく賃金計画を策定する等の適切な方法で試算して、賃金改善額を算出しても差し支えありません。
新規に開設した事業所も同様に、見込みに基づいて試算する方法で算出します。
保管すべき根拠資料(提出時に一律添付は不要)
根拠資料は、提出時に一律に添付する必要はありませんが、都道府県知事等の求めがあれば速やかに提示できるよう保管しておきます。
- イ 就業規則等(労働基準法第89条)=賃金・退職手当・臨時の賃金等に関する規程(キャリアパス要件Ⅰの任用・賃金体系に関する規程、要件Ⅲの昇給の仕組みに関する規程を就業規則と別に作成している場合は、それらの規程も含む)
- ロ 労働保険に加入していることが確認できる書類(労働保険関係成立届、労働保険概算・確定保険料申告書等)
賃金改善方法は「職員に周知」
賃金改善を行う方法等については、計画書を用いる等により職員に周知します。
また、職員から賃金改善に関する照会があった場合は、その職員の賃金改善に係る内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答する必要があります。
むすび
処遇改善計画書の作成では、「基準点(加算がない場合の賃金水準)」をどう設定するかが核心となります。
就業規則・賃金規程・労働保険関係書類が根拠資料の柱であり、記載はチェックリストで確認し、賃金改善方法は職員へ周知することが求められます。
