処遇改善加算の取得には、賃金改善の実施に加えて、複数の要件を満たす必要があります。
この記事では、令和8年6月以降の加算について、7つの要件と、区分ごとの必要要件の全体像を解説します。
加算の要件は「7つ」ある
処遇改善加算の要件は、次の①〜⑦で構成されます。
- 月額賃金改善要件(毎月支払う賃金の改善)
- キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備)
- キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施)
- キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組みの整備)
- キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金の要件)
- キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)
- 職場環境等要件(見える化要件を含む)
このうち、②から⑥までの5つが「キャリアパス要件」とまとめて呼ばれます。
全ての区分で共通する土台
まず、すべての区分に共通する土台があります。それは、月額賃金改善要件と、キャリアパス要件ⅠおよびⅡです。加算Ⅳであっても、この3つは必ず満たす必要があります。
区分ごとの必要要件(令和8年6月以降)
区分が上がるごとに、この土台の上に要件が積み上がっていきます。
加算Ⅳは、共通の土台に加えて、⑦職場環境等要件を満たします。
加算Ⅲは、加算Ⅳに④キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み)を加えます。
加算Ⅱイは、加算Ⅲに⑤キャリアパス要件Ⅳ(年額460万円要件。職場環境等要件を全体14以上でも代替可)および⑦職場環境等要件(加算Ⅳ・Ⅲよりもさらに取組を要する)+見える化要件を加えます。
加算Ⅰイは、加算Ⅱイに⑥キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)を加え、すべての要件を満たします。
逆に、上位区分から下位区分に下がるにつれて外れていく要件は、キャリアパス要件Ⅴ、次にⅣ、次にⅢ、という順番です。この「Ⅴ→Ⅳ→Ⅲ」の順は、上位区分を目指す際に重要になります。
| 要件 | 加算Ⅳ | 加算Ⅲ | 加算Ⅱイ | 加算Ⅰイ |
|---|---|---|---|---|
| 月額賃金改善要件 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| キャリアパス要件Ⅰ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| キャリアパス要件Ⅱ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 職場環境等要件 | ○ | ○ | ◎※ | ◎※ |
| キャリアパス要件Ⅲ | ○ | ○ | ○ | |
| 職場環境等要件全体から14以上またはキャリアパス要件Ⅳ | ○ | ○ | ||
| キャリアパス要件Ⅴ | ○ |
「ロ」区分(上乗せ)
「イ」の区分の上には、さらに「ロ」があります。
加算Ⅰロは、加算Ⅰイの全要件に令和8年度特例要件を加えたもの、加算Ⅱロは、加算Ⅱイの全要件に令和8年度特例要件を加えたものです。
これは、生産性向上・協働化に取り組む事業者への上乗せです。
むすび
処遇改善加算の要件は、①月額賃金改善要件、②〜⑥キャリアパス要件、⑦職場環境等要件の7つで構成されます。すべての区分に共通する土台は、月額賃金改善要件とキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱであり、上位区分ほどキャリアパス要件Ⅲ・Ⅳ・Ⅴが積み上がります。最上位の「ロ」区分は令和8年度特例要件が鍵となります。
