福祉・介護職員等処遇改善加算|キャリアパス要件Ⅳ・Ⅴの実務を解説(460万円・配置等要件)

福祉・介護職員等処遇改善加算|キャリアパス要件Ⅳ・Ⅴの実務を解説(460万円・配置等要件) 労働社会保険諸法令の基礎知識
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上位区分(Ⅰイ・Ⅰロ等)の取得で鍵となるのが、キャリアパス要件Ⅳ(年額賃金要件)とⅤ(配置等要件)です。この記事では、この2つの要件の実務的な満たし方について、具体的に解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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キャリアパス要件Ⅳ(年額賃金要件)とは

経験・技能のある福祉・介護職員のうち1人以上を、改善後の賃金見込額が「年額460万円以上」となるようにする要件です。なお、改善前から460万円以上である者は、この1人にカウントしません。

ここで重要なのは、この460万円というのは障害福祉版(福祉・介護職員等処遇改善加算)の金額だという点です。介護保険版(介護職員等処遇改善加算)では、金額が440万円になります。障害福祉と介護で金額が違う、という点を押さえておいてください。

460万円の「数え方」

460万円の判定は、手当等を含めて行います。一方、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含めずに判断します。つまり、「本人が受け取る年収ベース(手当込み)」で460万円以上かどうかを見ます。

「経験・技能のある福祉・介護職員」とは

介護福祉士等であって、原則として勤続10年以上を基本としつつ、事業所の裁量で設定が可能です。勤続年数は、他法人・医療機関等での経験も通算してよく、10年未満であっても業務・技能等を勘案して対象とすることができます。

職場環境等要件14以上での「代替」

キャリアパス要件Ⅳは、職場環境等要件を全体で14以上満たしている場合は、満たしたものとして扱われます。つまり、460万円の対象者の設定に代えることができます。なお、この「14以上での代替」という仕組みは、障害福祉版にはありますが、介護保険版にはありません。

キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)とは

福祉専門職員配置等加算(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護にあっては特定事業所加算)の届出を行っていることが必要です。

なお、重度障害者等包括支援・施設入所支援・短期入所・就労定着支援・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援は、該当する加算がないため、配置等要件は不要です。

配置等要件の「3か月ルール」

特定事業所加算を算定できない状態が常態化し、3か月を超えて継続した場合は、4か月目以降、加算区分の変更が必要です。例えば、8〜10月に算定できず11月も継続する場合、11月分から区分Ⅱへ変更します。

なお、この場合でも、事業所台帳上は、算定できない間も特定事業所加算を算定可能としておく必要がある点に注意が必要です。

これは、「特定事業所加算を実際に算定すること」と「事業所台帳上で算定可能と登録しておくこと」が別の手続きであるためです。処遇改善加算Ⅰの配置等要件は、事業所台帳上で特定事業所加算が算定可能となっていることを前提とします。そのため、特定事業所加算を実際には算定しない月であっても、台帳の登録自体を外してしまうと、配置等要件を満たさない状態となり、本来3か月の猶予の範囲で維持できるはずの処遇改善加算Ⅰまで算定できなくなってしまいます。実際に算定しない月でも、台帳上の登録は外さずに維持しておくことが必要です。

むすび

キャリアパス要件Ⅳは、「経験・技能のある福祉・介護職員1人以上を年収460万円(手当込み)」とするか、「職場環境等要件を14以上満たす」ことで代替できます(介護保険版は440万円で、14以上での代替はありません)。

要件Ⅴは配置加算の届出が必要で、特定事業所加算については3か月ルールに注意が必要です。