自律的管理を実際に動かすため、2024年4月から「化学物質管理者」と「保護具着用管理責任者」の選任が義務化されました。
この記事では、2つの管理者の職務・選任要件・共通ルールについて解説します。
2024年4月から選任義務化(自律的管理の要の体制)
自律的管理を「誰が回すか」を明確にするため、2つの管理者の選任が義務化されました。
①化学物質管理者(則第12条の5)
リスクアセスメント対象物を製造・取扱い・譲渡提供する事業場ごとに選任します(業種・規模を問いません)。
職務は次のとおりです。
- ラベル表示・SDS交付に関すること
- リスクアセスメントの実施
- ばく露低減措置の内容・実施
- 労働災害発生時の対応
- 記録の作成・保存・周知 等
選任要件は、製造事業場では専門的講習(12時間)の修了者から選任する必要があります。製造事業場以外では、資格要件はありませんが、講習の修了が望ましいとされています。
②保護具着用管理責任者(則第12条の6)
化学物質管理者を選任した事業者が、リスクアセスメントの結果に基づき労働者に保護具を使用させるときに選任します。
職務は、有効な保護具の選択・労働者の使用状況の管理・保護具の保守管理等です。
選任要件は、「保護具に関する知識・経験を有すると認められる者」とされ、具体的には化学物質管理専門家・作業環境管理専門家・労働衛生コンサルタント・第1種衛生管理者・各作業主任者技能講習修了者等が含まれます。
共通ルール
- 選任すべき事由の発生から「14日以内」に選任
- 氏名を事業場の見やすい場所に掲示等で周知
- 労働基準監督署への届出は不要
両者は役割が異なるため、それぞれ選任が必要です(兼任は可能)。
罰則
選任義務違反は、50万円以下の罰金の対象です(法第120条)。
両罰規定により、法人にも罰金が科されることがあります。
むすび
化学物質管理者は自律的管理の「司令塔」、保護具着用管理責任者は保護具の「専門担当」と位置づけられます。
特に製造事業場の化学物質管理者は12時間の専門的講習の修了が必須であり、いずれも事由発生から14日以内の選任が求められます。
両者は別の役割であり、それぞれ選任が必要な点に注意が必要です。
