パートタイム・有期雇用労働法第12条は福利厚生施設の利用機会の付与義務を、第13条は通常の労働者への転換推進措置の義務を定めています。
2026年10月改正では福利厚生施設の配慮義務の範囲拡大と転換推進措置の充実が図られました。
この記事では各条文の内容と改正のポイントについて解説します。
福利厚生施設(第12条)
事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与えている福利厚生施設について、短時間・有期雇用労働者にも利用の機会を与えなければなりません。
義務の対象となる施設
法律上の義務として、以下の3施設への利用機会の付与が求められます。
- 給食施設
- 休憩室
- 更衣室
配慮義務の対象となる施設(2026年10月改正・雇用管理指針)
上記①〜③以外の施設についても、利用に関する便宜の供与の措置を講ずるように配慮しなければなりません。対象となる施設の例として、物品販売所・病院・診療所・浴場・理髪室・保育所・図書館・講堂・娯楽室・運動場・体育館・保養施設・駐車場等が挙げられます。
福利厚生施設の利用条件
利用料金・割引率等の利用条件についても、不合理と認められる相違を設けてはなりません(第8条の均衡待遇の対象)。
通常の労働者への転換(第13条)
事業主は、短時間・有期雇用労働者を通常の労働者へ転換するため、以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
- 通常の労働者を募集する際、その情報を既存の短時間・有期雇用労働者にも周知する
- 通常の労働者のポストを社内公募する際、既存の短時間・有期雇用労働者にも応募の機会を与える
- 短時間・有期雇用労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける
2026年10月改正のポイント(雇用管理指針・第13条関連)
以下の事項が雇用管理指針に追加されました。
- 通常の労働者への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましい
- 面談やメール等の活用により、パートタイム・有期雇用労働者の意向を確認し、意向に配慮しなければならない
- 転換制度の内容・転換実績等をウェブサイト等で定期的に公表することが望ましい
むすび
第12条の福利厚生施設は、給食施設・休憩室・更衣室への利用機会付与が法律上の義務で、2026年10月改正により駐車場・保養施設等の広範な施設についても配慮義務が追加されました。
第13条の転換推進措置は①募集情報の周知②社内公募③試験制度のいずれかを講じる義務があり、複数の措置の実施と労働者の意向への配慮が望ましいとされています。
