パートタイム・有期雇用労働法第10条は賃金決定における努力義務を、第11条は教育訓練の実施義務・努力義務を定めています。
この記事では、賃金決定の考慮事項・教育訓練の義務の範囲・2026年10月改正のポイントについて解説します。
賃金(第10条)
事業主は、短時間・有期雇用労働者の賃金を決定するにあたり、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、以下の事項を勘案するよう努めなければなりません(努力義務)。
- 職務の内容
- 職務の成果
- 意欲
- 能力
- 経験その他の就業の実態に関する事項
第8条の均衡待遇とは別に、賃金決定における努力義務を定めた規定です。
2026年10月改正では「公正な評価に基づき賃金を決定することが望ましい」旨が雇用管理指針に追記されました。
教育訓練(第11条)
①職務遂行に必要な教育訓練(義務)
事業主は、通常の労働者に対して実施する職務の遂行に必要な教育訓練について、同一の職務内容の短時間・有期雇用労働者にも実施しなければなりません。
②その他の教育訓練(努力義務)
職務内容が異なる場合は、その実情に応じた教育訓練を実施するよう努めなければなりません。
教育訓練の留意点
職務内容が同一の場合は義務、異なる場合は努力義務と区別されます。
また、2026年10月改正で雇用管理指針に「職業能力開発促進法もパートタイム・有期雇用労働者に適用されることを認識し遵守しなければならない」旨が追加されました。
賃金・教育訓練の位置づけ
| 賃金(第10条) | 教育訓練(第11条) | |
|---|---|---|
| 法的性質 | 努力義務 | 義務(同一職務)/努力義務(異なる職務) |
| 判断基準 | 均衡考慮 | 職務の内容の同一性 |
むすび
賃金(第10条)は、職務の内容・成果・意欲・能力・経験等を勘案して通常の労働者との均衡を考慮した賃金決定を事業主に求める努力義務規定です。
教育訓練(第11条)は、職務内容が同一の場合は義務、異なる場合は努力義務と区別されます。
2026年10月改正では公正な評価に基づく賃金決定の推奨と職業能力開発促進法の遵守義務が雇用管理指針に追加されました。
