RI規制法では、施設の許可を受けた後の「日常運用」において、線量限度の遵守・測定・健康診断・教育訓練・記帳といった人的管理が求められます。
この記事では、これらの運用上の義務について解説します。
線量限度
放射線業務従事者の線量限度は、電離則と同じ考え方で定められています。
- 実効線量:5年間100mSv、かつ1年間50mSv
- 等価線量:眼の水晶体・皮膚等に個別の限度
- 女性・妊娠中の特別な限度あり
測定(施行規則第20条)
測定には、場所の測定と人の測定の2種類があります。
- 管理区域内の放射線量・汚染状況の測定(場所の測定:1ヶ月以内ごと等)
- 放射線業務従事者の被ばく線量の測定(外部被ばく・内部被ばく)
なお、令和5年10月から、測定に用いる放射線測定器の「点検・校正(1年ごと等)」が義務化され、測定の信頼性確保が求められるようになりました。
健康診断(施行規則第22条)
- 初めて管理区域に立ち入る前
- その後は1年を超えない期間ごと
- 誤って摂取・被ばくのおそれ等の場合は遅滞なく実施
電離則の健康診断は6ヶ月ごとであるため、両法令が適用される施設では、より厳しい電離則(6ヶ月ごと)に合わせて実施するのが実務上の対応です。
教育訓練(施行規則第21条の2)
放射線業務従事者・取扱等業務従事者等に対して実施します。
- 初めて管理区域に立ち入る前/業務を開始する前
- その後は1年を超えない期間ごとに1回
- 告示で、項目ごとの最低時間数が定められている
記帳義務
記帳は、対象ごとに保存期間やルールが異なります。
施設に関する記帳(RIの受入れ・払出し・使用・廃棄、管理区域の測定結果、教育訓練等)
帳簿は、毎年3月31日(または許可の取消し・廃業・死亡解散等の日)に閉鎖し、閉鎖後5年間保存します。
個人の健康管理に関する記帳(被ばく線量測定結果、健康診断結果)
その者が従事者でなくなるまで事業所で保存し、その後は指定記録保存機関(放射線影響協会)へ引き渡します(実質的な永年保存)。
なお、施設を廃止する場合等の記録の扱いにも、別途定めがあります。
むすび
RI規制法は、施設の許可という「入口」だけでなく、線量限度の遵守・測定・健康診断・教育訓練・記帳という「日常運用」までを規律します。
特に記帳は、施設に関するもの(閉鎖後5年保存)と個人の健康管理に関するもの(実質的な永年保存・放射線影響協会への引き渡し)で保存ルールが異なる点が重要です。
電離則と重なる部分は、厳しい方に合わせて一元的に運用することが、効率的かつ適法な管理の鍵となります。
