40歳を過ぎると受ける、いわゆる「メタボ健診」。正式には特定健康診査といい、根拠は高齢者医療確保法です。会社の定期健康診断との関係や、事業者が保険者に健診結果を提供する義務も、この法律に定められています。
特定健診と特定保健指導とは(第18条第1項)
特定健康診査と特定保健指導は、第18条第1項で次のように定義されています。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 特定健康診査 | 糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査 |
| 特定保健指導 | 特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者に対し、保健指導の専門的知識・技術を有する者が行う保健指導 |
厚生労働大臣は、特定健康診査と特定保健指導を適切かつ有効に行うための基本的な指針(特定健康診査等基本指針)を定めます。
実施するのは保険者
特定健康診査と特定保健指導を行うのは、健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険などの保険者です。
| 内容 | 条文 |
|---|---|
| 特定健康診査等実施計画を、6年ごとに、6年を一期として定める | 第19条第1項 |
| 40歳以上の加入者に特定健康診査を行うものとする | 第20条 |
| 特定保健指導を行うものとする | 第24条 |
国民健康保険の保険者は市町村
この節では、国民健康保険の保険者は市町村とされています(第19条第1項)。前期高齢者の財政調整を定めた第3章では、国民健康保険の保険者は都道府県でした(第32条第1項)。同じ法律の中でも、章や節によって読み替えが違う点に注意してください。
会社の健康診断との関係(第21条)
会社の健診が特定健診の代わりになる
従業員は、労働安全衛生法にもとづいて会社の定期健康診断を受けています。加入者がこうした健康診断を受けた場合、または受けることができる場合は、保険者は特定健康診査の全部または一部を行ったものとされます(第21条第1項)。
会社の定期健康診断を受けていれば、特定健診をもう一度受ける必要はないということです。
健診の実施を保険者に委託できる
事業者は、健康診断の実施を保険者に委託できます。この場合、事業者は健康診断にかかった費用を保険者に支払わなければなりません(第21条第2項)。
事業者には健診記録を提供する義務がある(第27条)
保険者は、加入者を使用している事業者に対し、健康診断の記録の写しの提供を求めることができます(第27条第3項)。求められた事業者は、記録の写しを提供しなければなりません(第27条第4項)。
協会けんぽや健康保険組合から、従業員の健診結果の提供を求められることがあります。これは高齢者医療確保法にもとづく求めです。保険者は、提供を受けた記録をもとに特定保健指導の対象者を選び、保健指導を行います。
75歳以上は特定健診の対象外
後期高齢者医療の被保険者は、健康保険や国民健康保険から抜けているため、特定健診の対象にはなりません。
75歳以上の人の健診は、後期高齢者医療広域連合が高齢者保健事業として行うよう努めることになっています(第125条第1項)。
| 年齢 | 健診 | 実施する者 | 条文の書き方 |
|---|---|---|---|
| 40〜74歳 | 特定健康診査 | 保険者 | 行うものとする(第20条) |
| 75歳以上 | 健康診査など | 後期高齢者医療広域連合 | 行うように努めなければならない(第125条第1項) |
第4期の全国目標(令和6〜11年度)
特定健康診査等基本指針では、令和11年度までの全国目標を次のように定めています。
| 項目 | 目標 |
|---|---|
| 特定健康診査の実施率 | 70%以上 |
| 特定保健指導の実施率 | 45%以上 |
| メタボリックシンドロームの該当者及び予備群 | 平成20年度と比べて25%以上減少 |
被扶養者の特定健診
会社の定期健康診断は、従業員本人が対象です。40歳以上の被扶養者は、会社の健康診断を受けられないため、保険者が行う特定健診を受けることになります。
従業員の家族あてに特定健診の案内が届いたときは、受診を勧めておくとよいでしょう。
まとめ
- 特定健診は、糖尿病などの生活習慣病に関する健康診査で、根拠は高齢者医療確保法です。
- 保険者が、40歳以上の加入者に特定健診を行い、必要な人に特定保健指導を行います。
- 会社の定期健康診断を受けていれば、特定健診を受けたものとされます(第21条第1項)。
- 事業者は、保険者から求められたら健診記録の写しを提供しなければなりません(第27条第4項)。
- 75歳以上は特定健診の対象外で、広域連合が健康診査などを行うよう努めます。

