高年齢者雇用安定法では、中高年齢者の離職時の再就職援助と、募集・採用時のルールが定められています。
この記事では、退職・離職時に会社が講ずべき措置と、採用時の年齢に関するルールについて解説します。
退職・離職時の措置
45歳以上70歳未満の従業員が、定年や継続雇用の終了、解雇などにより離職する場合、会社には以下の措置が求められます。
なお、年齢によって対象となる離職理由が異なります。
再就職援助措置(努力義務)
事業主は、対象者本人が希望するときは、求職活動に対する援助等の必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。
例として、求職活動のための休暇付与、再就職のあっせん等があります(高年齢者雇用対策の推進について(職発0326第10号|令和3年3月26日)より)。
求職活動支援書の作成・交付(義務)
事業主は、対象者本人が希望するときは、「求職活動支援書」を作成し、本人に交付しなければなりません。職務経歴・職業能力等を記載し、本人の再就職活動に活用されます。
多数離職の届出(義務)
1か月以内に5人以上の対象者が上記の理由で離職する場合、事業主は最後の離職が生ずる日の1か月前までにハローワークに届け出なければなりません。
募集・採用時の年齢制限
年齢制限の禁止(労働施策総合推進法)
事業主は、労働者の募集・採用について、原則として年齢を理由に制限してはなりません。
これは労働施策総合推進法に基づく義務です。
年齢制限を行う場合の理由提示(高年齢者雇用安定法第20条)
やむを得ない理由により一定の年齢(65歳以下)を下回ることを条件とする場合、事業主は求職者に対しその理由を示さなければなりません。
これは高年齢者雇用安定法第20条に基づくものです。
なお、定年年齢を上限として期間の定めのない契約で募集する場合など、例外として年齢制限が認められる場合もあります。
むすび
中高年齢者の離職時には、再就職援助措置(努力義務)・求職活動支援書の交付(義務)・多数離職の届出(義務)が求められ、対象年齢は45歳以上70歳未満に及びます。
募集・採用時の年齢制限は労働施策総合推進法で原則禁止され、やむを得ず制限する場合の理由提示は高年齢者雇用安定法第20条が根拠となります。退職時・採用時の双方で、根拠法を踏まえた適切な対応が必要です。

