高年齢者雇用安定法では、事業主の責務とともに、行政による指導・勧告・公表の仕組み、そして毎年6月1日現在の雇用状況報告が定められています。
この記事では、行政の関与と高年齢者雇用状況等報告について解説します。
事業主の責務
事業主は、高年齢者雇用確保措置・就業確保措置等を適切に講じ、高年齢者の意欲・能力に応じた雇用機会の確保に努めなければなりません。
行政による関与
- 厚生労働大臣は、事業主に対し、必要な指導・助言ができます。
- 高年齢者雇用確保措置(65歳まで:義務)を講じない事業主には、勧告ができます。
- 勧告に従わない場合、その旨を公表することができます。
就業確保措置(70歳まで:努力義務)も、指導・助言・勧告の対象となります。
高年齢者雇用状況等報告(6月1日現在)
事業主は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況を、翌月の7月15日までにハローワークを経由して厚生労働大臣に報告しなければなりません(高年齢者雇用安定法第52条第1項・同法施行規則第33条第1項)。
- 雇用確保措置・就業確保措置の実施状況等を報告
- 報告内容は集計され、毎年「高年齢者雇用状況等報告」として公表される
毎年6月1日時点の状況を報告することから「ロクイチ報告」とも呼ばれます。
ポイント:報告義務と罰則の関係
高年齢者雇用状況等報告(法第52条第1項)自体には、報告を怠った場合の直接の罰則は定められていません。ただし、報告は法律上の義務であり、未報告は雇用確保措置に関する指導・勧告・公表の端緒となります。
なお、同じ時期に同じ用紙で提出する障害者雇用状況報告(障害者雇用促進法)には30万円以下の罰金が定められているため、両者を混同しないよう注意が必要です。
むすび
高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を講じない事業主への指導・勧告・公表という段階的な行政関与が定められています。
毎年6月1日現在の「ロクイチ報告」は法第52条第1項・施行規則第33条第1項に基づく義務であり、それ自体に罰則はないものの、未報告は行政指導の端緒となります。
