障害者雇用促進法|差別の禁止と合理的配慮の提供義務

障害者雇用促進法|差別の禁止と合理的配慮の提供義務 労働社会保険諸法令の基礎知識
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障害のある社員から配慮の申出がないので、特に何もしていない。この説明は、採用の場面では成り立ちますが、採用後については通用しません。障害者雇用促進法は募集・採用時と採用後の合理的配慮を別の条文に分けて書き分けており、合理的配慮指針は採用後について、事業主の側から確認しに行く手続を定めています。さらに同指針は、就業規則に規定すべき内容まで例示しています。今回は、差別の禁止と合理的配慮の提供義務を、条文と指針の文言に沿って整理します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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対象は「障害者」——手帳は要件ではない

まず確認しておきたいのが対象範囲です。差別禁止・合理的配慮の対象となるのは、法第2条第1号に定める「障害者」です。

身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者

雇用率制度・納付金制度の対象である「対象障害者」(法第37条第2項、手帳所持者に限る)とは範囲が異なります。厚生労働省の「障害者差別禁止・合理的配慮に関するQ&A【第二版】」は、この「心身の機能の障害」とはあらゆる心身の機能の障害を意味し、障害の原因および種類を限定していないとしています。そのうえで、難病に起因する障害を有する方、高次脳機能障害を有する方などについても、その障害が長期にわたる又は永続するものであり、職業生活を相当程度制限するものであれば対象になるとしています。

このことは合理的配慮指針の別表からも裏付けられます。別表は障害区分ごとに配慮の事例を挙げていますが、その区分には視覚障害・聴覚言語障害・肢体不自由・内部障害・知的障害・精神障害・発達障害に加えて、難病に起因する障害高次脳機能障害が明記されています。

つまり、障害者手帳を持っていない社員であっても、差別禁止と合理的配慮の対象になり得るということです。「雇用率にカウントできないから、この社員には制度が及ばない」という理解は、この点で誤りです。

差別の禁止(法第34条・第35条)

差別禁止の規定は、募集・採用の場面と、それ以外の待遇の場面に分かれています。

法第34条(募集・採用)

事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならない。

法第35条(待遇)

事業主は、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。

差別禁止指針が具体化する場面

法第36条は、厚生労働大臣が第34条・第35条に関する指針を定めるものとしています。これに基づき定められているのが「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(障害者差別禁止指針。平成27年厚生労働省告示第116号)です。

同指針は、次の場面ごとに、障害者にそれぞれの措置を講じないことや、障害者に対してのみ不利な条件を付すことなどが差別に当たるとしています。

募集及び採用/賃金/配置/教育訓練/福利厚生/職種の変更/雇用形態の変更/退職の勧奨/定年/解雇/労働契約の更新

就業規則や人事制度に落として考えると、ほぼすべての人事管理の局面が対象になっているということです。

差別に該当しない3つの類型

一方で、障害者と障害者でない者を異なる扱いにすることが常に差別になるわけではありません。労働局のリーフレットは、禁止される差別に該当しない場合として次の3つを挙げています。

類型
積極的な差別是正措置として、障害者を有利に取り扱うこと障害者のみを対象とする求人(障害者専用求人)
合理的配慮を提供し、労働能力などを適正に評価した結果として、障害者でない者と異なる取扱いをすること障害者でない労働者の能力が優れている場合に、その労働者を昇進させること
合理的配慮に応じた措置をとること(結果として異なる取扱いとなること)研修内容を理解できるよう、障害者のみ独自メニューの研修をすること

制度設計の場面では、この3類型に当たるかどうかが、しばしば実務上の分かれ目になります。

合理的配慮の提供義務(法第36条の2・第36条の3)

合理的配慮の提供義務も、募集・採用時と採用後で条文が分かれています。ここが今回の中心です。

法第36条の2(募集・採用時)

事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により、当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

法第36条の3(採用後)

事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

「申出により」があるのは募集・採用時だけ

2つの条文を並べると、決定的な違いが見えてきます。

法第36条の2(募集・採用時)法第36条の3(採用後)
条文の文言「障害者からの申出により(申出に関する文言なし)
義務の起点障害者側からの申出事業主側の確認

募集・採用の段階では、事業主は応募者に障害があるかどうかを把握していないのが通常です。だからこそ、申出を起点とする構造になっています。

これに対して採用後は、合理的配慮指針(第3の2(1))が、事業主の側から確認する手続を明確に定めています。

  • 労働者が障害者であることを雇入れ時までに把握している場合 — 雇入れ時までに、職場において支障となっている事情の有無を確認する
  • 雇入れ時までに把握できなかった場合 — 障害者であることを把握した際に、遅滞なく確認する
  • 雇入れ時に障害者でなかった場合(中途障害) — 障害者となったことを把握した際に、遅滞なく確認する
  • さらに、障害の状態や職場の状況が変化することもあるため、必要に応じて定期的に確認する

そのうえで指針は「なお、障害者は、事業主からの確認を待たず、当該事業主に対して自ら職場において支障となっている事情を申し出ることが可能であること」としています。障害者側からの申出は、あくまで補助的なルートとして位置づけられているということです。

したがって「本人から言ってこないので何もしていない」という説明は、採用後については通用しません。指針は事業主に対して、雇入れ時・障害の把握時・中途障害の発生時・そして定期的に、確認しに行くことを求めています。

中途障害への言及があることも重要です。うつ病や脳血管疾患などにより在職中に障害を有することとなった社員についても、それを把握した時点で確認義務が生じます。「障害者雇用として採用した社員だけの話」ではありません。

なお、支障となっている事情があった場合、事業主はその改善のために障害者が希望する措置の内容を確認します。このとき、障害者が希望する措置の内容を具体的に申し出ることが困難な場合は、支障となっている事情を明らかにすることで足りるとされています。「どうしてほしいか具体的に言ってくれないから検討できない」という対応も、指針の立場とは異なります。

ただし、知り得なかった場合は義務違反を問われない

一方で、指針は次の限定も置いています(第2の2)。

合理的配慮の提供は事業主の義務であるが、採用後の合理的配慮について、事業主が必要な注意を払ってもその雇用する労働者が障害者であることを知り得なかった場合には、合理的配慮の提供義務違反を問われないこと。

ポイントは「必要な注意を払っても」という条件です。何も確認していない状態で「知らなかった」と主張することは、この限定に当たりません。上記の確認手続を実施していたかどうかが、そのまま「必要な注意を払ったか」の評価につながります。

意向確認が困難な場合

指針第3の3は、合理的配慮の手続において障害者の意向を確認することが困難な場合、就労支援機関の職員等に当該障害者を補佐することを求めても差し支えないとしています。社内だけで抱え込む必要はなく、外部の支援機関を手続に組み込むことが想定されているということです。

合理的配慮として求められないもの

採用後に講ずる合理的配慮は「職務の円滑な遂行に必要な措置」であることから、指針第4の1(2)は、次の措置は合理的配慮として事業主に求められるものではないとしています。

イ 日常生活のために必要な用具の提供

障害者である労働者の日常生活のために必要である眼鏡や車いす等を提供すること。職務遂行のための措置と、本人の日常生活のための措置は区別されるということです。

ロ 配慮しても重要な職務遂行に支障を来す場合の職務継続

中途障害により、配慮をしても重要な職務遂行に支障を来すことが合理的配慮の手続の過程において判断される場合に、当該職務の遂行を継続させること。

ただし、ロには続けて重要な留保が置かれています。

ただし、当該職務の遂行を継続させることができない場合には、別の職務に就かせることなど、個々の職場の状況に応じた他の合理的配慮を検討することが必要であること。

つまり、その職務を継続させる義務はないとしても、そこで検討を終えてよいわけではありません。配置転換等の別の配慮を検討するプロセスが求められます。中途障害の事案で「元の職務は続けられないので退職勧奨」という流れに直行することは、この留保に反します。

「過重な負担」の判断——雇用分野は6要素

法第36条の2・第36条の3のいずれも、「事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない」という但し書きを持っています。では、何をもって過重な負担と判断するのか。

法第36条の5第1項に基づき定められた合理的配慮指針(平成27年厚生労働省告示第117号)第5は、次の6つの要素を総合的に勘案しながら、個別に判断するとしています。

要素指針の説明
1事業活動への影響の程度措置を講ずることによる事業所における生産活動やサービス提供への影響その他の事業活動への影響の程度
2実現困難度事業所の立地状況や施設の所有形態等による、措置を講ずるための機器や人材の確保、設備の整備等の困難度
3費用・負担の程度措置を講ずることによる費用・負担の程度
4企業の規模当該企業の規模に応じた負担の程度
5企業の財務状況当該企業の財務状況に応じた負担の程度
6公的支援の有無措置に係る公的支援を利用できる場合は、その利用を前提とした上で判断する

⑥の書きぶりに注意が必要です。単に「公的支援の有無を考慮する」ではなく、利用できる場合はその利用を前提として判断すると書かれています。障害者作業施設設置等助成金などが使える場面で、それを検討せずに「費用がかかるから過重な負担だ」と結論づけることは、指針の立場と整合しません。

また③には次の留保が置かれています。

ただし、複数の障害者から合理的配慮に関する要望があった場合、それらの複数の障害者に係る措置に要する費用・負担も勘案して判断することとなること。

個々の要望を切り離して判断するのではなく、合算して見るということです。

障害者差別解消法の判断要素とは別物

なお、障害者差別解消法における「過重な負担」の判断要素は、①事務・事業への影響の程度 ②実現可能性の程度 ③費用・負担の程度 ④事務・事業規模 ⑤財政・財務状況の5要素であり、雇用分野の6要素とは内容が異なります。

この2つが混在して流通しており、「障害者差別解消法の判断要素」として雇用分野の6要素を掲げている解説も見られます。雇用の場面で判断根拠を示すときは、合理的配慮指針(告示第117号)第5の6要素を使う必要があります。

また、「過重な負担」という文言を、根拠を示さずに安易に用いることは避けるべきです。JEED障害者職業総合センターの研究資料は、根拠が不十分な場合には労働者からの申立てにより行政機関から指導や勧告を受けることにもなりかねないと指摘しています。

過重な負担と判断した場合の手続

指針第5の2は、過重な負担に当たると判断した場合の手続を定めています。

  1. 当該措置を実施できないことを障害者に伝える
  2. 障害者からの求めに応じて、過重な負担に当たると判断した理由を説明する
  3. 障害者との話合いの下、その意向を十分に尊重した上で、過重な負担にならない範囲で合理的配慮に係る措置を講ずる

3が残るため、「過重な負担だから何もしない」という結論にはなりません。希望された措置ができないのであれば、できる範囲の代替措置を検討することまでが手続に含まれます。

意向の尊重と相談体制(法第36条の4)

法第36条の4は2項構成で、それぞれ対象範囲が異なります。

第三十六条の四 事業主は、前二条に規定する措置を講ずるに当たつては、障害者の意向を十分に尊重しなければならない。
2 事業主は、前条に規定する措置に関し、その雇用する障害者である労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

第1項は「前二条」ですから、法第36条の2(募集・採用時)と第36条の3(採用後)の双方にかかります。第2項は「前条」ですから、法第36条の3(採用後)のみが対象です。

指針が定める4つの措置

この第2項の「雇用管理上必要な措置」について、合理的配慮指針第6は次の4項目を定めています。「講じなければならない」と書かれており、努力義務ではありません。

1. 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知することが求められます。指針は、窓口を定めていると認められる例として、①相談に対応する担当者・部署をあらかじめ定めること、②外部の機関に相談への対応を委託することの2つを挙げています。あわせて、担当者が相談内容や相談者の状況に応じて適切に対応できるよう、必要な措置を講ずることも求められます。

2. 採用後における合理的配慮に関する相談があったときの適切な対応

職場において支障となっている事情の有無を迅速に確認し、確認された場合には合理的配慮の手続を適切に行うこと。

3. 相談者のプライバシーを保護するために必要な措置

相談者の情報はプライバシーに属するものであることから、保護のために必要な措置を講ずるとともに、その措置を講じていることを労働者に周知することが求められます。措置を講じるだけでなく、講じていることの周知までがセットです。

4. 相談をしたことを理由とする不利益取扱いの禁止

障害者である労働者が採用後における合理的配慮に関し相談をしたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発をすることが求められます。

指針は、これを講じていると認められる例として次を挙げています。

(1) 就業規則その他の職場における職務規律等を定めた文書において、障害者である労働者が採用後における合理的配慮に関し相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、当該障害者である労働者が解雇等の不利益な取扱いをされない旨を規定し、労働者に周知・啓発をすること。
(2) 社内報、パンフレット、社内ホームページ等の広報又は啓発のための資料等に、(同旨)を記載し、労働者に配布等すること。

つまり指針は、就業規則に不利益取扱い禁止を規定することを、義務の履行例として明示しているということです。ハラスメント関係の規定は整備済みでも、合理的配慮に関する相談についてここまでカバーしている就業規則は、実務上そう多くありません。

なお指針第6の5は、これらの相談体制の整備等に当たっては、障害者である労働者の疑義の解消や苦情の自主的な解決に資するものであることに留意するとしています。相談体制は、紛争解決手続の入口を社内で塞ぐ機能も担っているということです。

障害者差別解消法との関係

障害者差別解消法第13条により、事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措置は、障害者雇用促進法の定めるところによることとされています。したがって、障害者差別解消法第3章(第7条〜第13条)は雇用分野には適用されません

この整理を押さえておくと、次のような相談に正確に答えられます。

「令和6年4月から合理的配慮が義務化されたと聞いたが、当社も対応が必要か」

これは障害者差別解消法において、事業者の合理的配慮が努力義務から法的義務に変わった改正です。雇用分野の合理的配慮は平成28年4月1日から既に法的義務であり、この改正によって雇用分野の義務内容が変わったわけではありません。厚生労働省のQ&Aは、労働者が事業主の指揮命令下にあることを理由として、雇用分野では当初から法的義務としていると説明しています。

もっとも、顧客や利用者に対する合理的配慮は差別解消法の適用を受けますので、「従業員に対しては促進法、顧客・利用者に対しては差別解消法」という切り分けで説明すると伝わりやすくなります。

「差別」の構成が異なる

もう一つ、法律の建て方に違いがあります。

障害者差別解消法障害者雇用促進法
不当な差別的取扱い差別差別(法34条・35条)
合理的配慮の不提供差別として規定差別ではなく、提供義務として別建て(法36条の2・36条の3)

厚生労働省は、合理的配慮の不提供を差別と規定しなくても、提供義務を課すことで同じ法的効果が得られるという立場をとっています。

行政の関与(法第36条の6)

第三十六条の六 厚生労働大臣は、第三十四条、第三十五条及び第三十六条の二から第三十六条の四までの規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。

差別禁止・合理的配慮の規定について条文上定められている行政の関与は、この助言・指導・勧告です。第二章の二「障害者に対する差別の禁止等」は第34条から第36条の6までで構成されており、雇入れ計画に係る企業名公表(法第47条)のような公表規定は、この分野には置かれていません。

もっとも、行政による関与が相対的に緩やかであることは、リスクが小さいことを意味しません。この分野の実質的なリスクは、紛争解決手続(都道府県労働局長による助言・指導・勧告、紛争調整委員会による調停)と、民事上の紛争にあります。

まとめ

  1. 差別禁止・合理的配慮の対象は法第2条第1号の「障害者」。手帳は要件ではなく、難病・高次脳機能障害等も対象になり得る(指針の別表にも両者が明記されている)。
  2. 差別の禁止は法第34条(募集・採用)と法第35条(待遇)。差別禁止指針(告示第116号)が募集採用から労働契約の更新までの場面を具体化している。
  3. 合理的配慮は法第36条の2(募集・採用時)と法第36条の3(採用後)。「申出により」の文言があるのは募集・採用時のみで、採用後は指針が事業主側の確認手続(雇入れ時・障害の把握時・中途障害の発生時・定期的)を定めている。
  4. ただし、必要な注意を払っても障害者であることを知り得なかった場合は、提供義務違反を問われない(指針第2の2)。逆に、確認手続を実施していない状態での「知らなかった」は通用しない。
  5. 日常生活のための用具の提供や、配慮しても重要な職務遂行に支障を来す職務の継続は、合理的配慮として求められない。ただし後者には別の職務に就かせること等の他の配慮を検討する義務が留保されている。
  6. 「過重な負担」の判断は指針第5の6要素。公的支援は利用を前提として判断する。過重な負担と判断した場合も、理由の説明と、過重な負担にならない範囲での措置が求められる。
  7. 法第36条の4第2項の「雇用管理上必要な措置」は、指針第6が①相談窓口の設置・周知 ②相談時の適切な対応 ③プライバシー保護とその周知 ④相談を理由とする不利益取扱いの禁止を定めて周知・啓発の4項目を定めており、④の例として就業規則への規定が明示されている。

実務としてまず着手すべきは、指針第6が定める4項目の整備です。配慮の内容そのものは障害の状態や職場の状況によって個別性が高く、あらかじめ決めておくことができません。内容を決められないからこそ、手続を決めておく必要があります。

  • 相談窓口の設置と労働者への周知(外部委託も可)
  • 支障となっている事情の確認手順(雇入れ時・把握時・中途障害時・定期的)
  • 検討と結論の伝え方、および理由の説明
  • 過重な負担と判断した場合の根拠の記録
  • 相談を理由とする不利益取扱いを禁止する就業規則の規定と周知

この5点は、いずれも配慮の中身が決まっていなくても先に整備できます。そして整備しておくことが、そのまま「必要な注意を払った」という評価につながります。