こども性暴力防止法の施行時に働いている従事者(施行時現職者)は、施行から3年以内に犯罪事実確認を受けなければなりません。ただし、事業者がいつ申請してもよいわけではありません。申請の時期は国が都道府県ごとに割り振ります。私立学校や児童福祉施設・事業を運営する事業者向けに、確認スケジュールの仕組みと準備を整理しました。
期限は令和11年12月24日
施行時現職者の犯罪事実確認は、施行後3年以内、つまり令和11年12月24日までに完了させなければなりません。期限を過ぎても確認が終わっていない場合は、犯罪事実確認義務違反になります。
なお、この記事で説明する仕組みは、私立学校等と児童福祉施設・事業についてのものです。都道府県立・市町村立の学校は、別の仕組みで申請します。また、認定を受けた民間教育保育等事業者の現職者は「認定から1年以内」の確認となり、期限の考え方が異なります。
申請時期は国が分散させる
施行時現職者は、全国で約280万人いると見込まれています。全員の確認を期限内に終えるため、こども家庭庁は申請の時期を分散させます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 割り振りの単位 | 都道府県を27区分に分ける |
| 時期 | 令和9年4月以降、1か月ごとに1区分 |
| 割り振る主体 | こども家庭庁 |
| 事業者への通知 | こまもろうシステム上で、各事業所に申請時期を通知 |
事業者は、事業所がある都道府県の区分の月(申請対象月)に、犯罪事実確認書の交付申請を行います。申請対象月に申請するのが難しい場合は、前後1か月を含む3か月の間に申請します。
つまり、施行日の直後に全員分を一斉に申請するものではありません。自分の事業所の申請対象月がいつになるかが、スケジュールの出発点になります。
申請対象月の4か月前に伝える
事業者または事業所の長は、申請対象月の4か月前に、施行時現職者へ申請の時期や戸籍を取得する必要があることなどを伝えます。
このとき気をつけたいのが、戸籍(除籍)電子証明書提供用識別符号の有効期限です。識別符号とは、戸籍の情報をオンラインで提出するときに使う番号のことで、有効期限は3か月とされています。
従事者が早めに準備しようとして識別符号を取得しても、申請のときに期限が切れていれば使えません。伝達のときには、申請時期だけでなく、いつごろ手続をすればよいかもあわせて伝えておく必要があります。
事業者がやっておくこと
申請対象月が通知されるまでの間に、次の準備を進めておくと慌てずにすみます。
- 施行時現職者の名簿を整える(誰が対象業務従事者かを確定する)
- 申請対象月の通知を、こまもろうシステムで確認する
- 申請対象月の4か月前に伝達し、本人ごとに伝えた日と内容を記録する
- 期限内に全員の確認が完了したら、システム上で報告する
1つめの名簿は、対象従事者の線引きで作ったものがそのまま土台になります。
つまずきやすい点
- 申請対象月より前に、事業者の判断で一斉に申請する仕組みではない
- 休職中の人や育児休業中の人など、申請対象月に手続しにくい人を早めに洗い出しておく
- 申請対象月の前後に入社・異動した人の扱いを整理しておく
とくに休職者や育休中の人は、職場からの連絡が届きにくくなります。伝達の方法と連絡先を、あらかじめ確認しておいてください。
まとめ
- 施行時現職者の確認期限は令和11年12月24日。超過すると犯罪事実確認義務違反になる
- 私立学校等・児童福祉施設・事業では、国が令和9年4月以降、都道府県を27区分に分けて1か月ずつ申請時期を割り振る
- 事業者は、通知された申請対象月(前後1か月を含む3か月の間)に交付申請を行う
- 申請対象月の4か月前に、従事者へ申請時期と戸籍取得の必要性を伝える。識別符号の有効期限(3か月)にも注意する
- 名簿の整備、伝達の記録、完了の報告までを計画しておく
現職者の確認は、3年かけて国が割り振る仕組みです。自社の申請対象月から逆算して、伝達・手続・報告を計画してください。

