年明けに入職する予定の内定者や、いま選考を進めている応募者は、こども性暴力防止法の施行でどう扱われるのでしょうか。12月中に犯罪事実確認を済ませなければならないのか、それとも猶予があるのか。分かれ目は「いつ内定を出したか」です。こども家庭庁のQ&Aをもとに整理しました。
分かれ目は「12月24日までに内定を出したか」
こども家庭庁のQ&Aは、犯罪事実確認の対象となる「施行時現職者」を、「法施行時点で対象業務に従事又は内定している者」と定義しています。いま働いている人だけでなく、施行時点で内定している人も含まれるということです。
では、どの時点で内定していればよいのか。教員採用試験の事例についてのQ&Aは、施行日の前日までに内定、内示等を出した者については、勤務校が決まっていなくても施行時現職者に該当すると答えています。
| 内定を出した日 | 扱い |
|---|---|
| 施行日の前日(12月24日)まで | 施行時現職者 |
| 12月25日以後 | 新規採用者 |
基準になるのは、事業者が内定を出した日です。勤務先がまだ決まっていなくても、12月24日までに内定を出していれば施行時現職者として扱われます。
12月24日までに内定を出した人(施行時現職者)
施行時現職者として扱われる内定者は、いま働いている従事者と同じスケジュールで確認を受けます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犯罪事実確認 | 施行後3年以内(令和11年12月24日まで)。国が割り振る申請対象月に申請する |
| 研修 | 業務に従事させるまでに受講する(ガイドライン令和8年9月改訂) |
たとえば令和9年1月に入職する内定者であれば、12月中に犯罪事実確認を終えたり、研修を受けさせたりする必要はありません。研修は入職日までに受講させ、犯罪事実確認は申請対象月に行います。
12月25日以後に内定を出す人(新規採用者)
施行日以後に内定を出す人は、新規採用者として扱われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犯罪事実確認 | 内定・内示等から、業務に就くまでの間に確認する |
| 研修 | 業務に従事させるまでに受講する |
新規採用者は、原則として業務に就く前に確認を終えていなければなりません。ただし、急な欠員などやむを得ない事情がある場合に限り、確認を終える前に業務に就かせることを認める特例が法律に設けられています。
いま選考中の人は、内定を出す日で扱いが変わる
いま選考を進めている応募者は、12月24日までに内定を出すか、12月25日以後に出すかで、犯罪事実確認の時期が変わります。
年明けに入職する人の採用を進めている事業所は、内定を出す日によって確認の時期が変わることを踏まえて、採用と確認の計画を立ててください。
どちらでも共通:採用過程での事前確認
施行時現職者として扱われる内定者でも、新規採用者でも、採用過程での確認は欠かせません。こども家庭庁の資料は、次のような対応を挙げています。
- 募集要項・求人票で、特定性犯罪前科がないことを明示する
- 内定前(履歴書提出時)の誓約書で、特定性犯罪前科がないことを書面で確認する
- 内定通知書に、重要な経歴の詐称を内定取消事由として明記する
- 内定後に、犯罪事実確認の対象となることや、本人から国へ戸籍等を提出する必要があることを書面等で伝える
内定通知書は、犯罪事実確認書の交付申請のときにも使います。Q&Aは、交付申請の際に、従事者が対象業務に従事することを証する書類(内定通知書、雇用契約書等)の添付が必要だとしています。
すでに内定を出した人にも、施行前のうちに誓約書の提出を求め、犯罪事実確認の対象となることを伝えておいてください。
まとめ
- 施行時現職者は「法施行時点で対象業務に従事又は内定している者」
- 施行日の前日(12月24日)までに内定を出した人は、勤務先が未定でも施行時現職者として扱われる
- 施行時現職者の内定者は、犯罪事実確認は3年以内の申請対象月に、研修は業務に従事させるまでに行う
- 12月25日以後に内定を出す人は新規採用者となり、業務に就く前に確認する
- どちらでも、募集要項・誓約書・内定通知書・内定後の伝達による事前確認が欠かせない
選考中・内定済みの人こそ、施行前の書面確認と伝達が欠かせません。内定を出した日を記録し、一人ひとりの扱いを整理しておいてください。
