労働安全衛生法|皮膚等障害化学物質への直接接触防止とSDS情報伝達の強化を解説

労働安全衛生法|皮膚等障害化学物質への直接接触防止とSDS情報伝達の強化を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識
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化学物質のばく露は、吸入だけでなく、皮膚や眼からの接触・吸収によっても起こります。

2024年4月から、これを防ぐための保護具使用が義務化されました。

この記事では、皮膚等障害化学物質への直接接触防止と、SDS情報伝達の強化について解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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皮膚からのばく露にも着目(2024年4月〜)

化学物質のばく露は「吸入」だけではありません。

皮膚・眼からの接触・吸収による健康障害も防ぐため、直接接触を防ぐ保護具の使用が義務化されました。

有害性の程度で「3段階」に分かれる

皮膚等障害化学物質等(則第594条の2)=使用が「義務」
皮膚・眼への障害、皮膚吸収による健康障害のおそれが「明らかな」物質が対象です。不浸透性の保護衣・保護手袋・履物・保護眼鏡等を使用させなければなりません。

それ以外の化学物質(則第594条の3)=「努力義務」
障害のおそれが「ないとは明らかでない」物質が対象です。皮膚等への接触を防ぐための適切な措置を講じるよう努めます。

障害のおそれが「ないことが明らか」な物質
保護具の使用は不要です。

対象物質(皮膚等障害化学物質等)

皮膚刺激性有害物質と皮膚吸収性有害物質で構成され、計1,064物質(うち124物質は双方に該当)です。

なお、特別規則で既に保護具使用義務がある物質は、重複を避けるため除外されています。

物質のリストは、裾切値とともに厚生労働省が公表しています。

保護具のポイント

  • リスクアセスメントの結果、ばく露が懸念される部位に応じて適切な保護具を選ぶ(全種類の常時着用は不要)
  • 化学防護手袋・化学防護服等はJIS規格適合品を選択する
  • 保護具着用管理責任者が選択・管理を担う

SDS情報伝達の強化(再確認)

  • 皮膚等障害化学物質は、SDSの「適用法令」欄等に記載する
  • 「人体に及ぼす作用」を5年以内ごとに確認・更新する

SDSが、適切な保護具選択の前提になります。

むすび

化学物質のばく露は、「吸入+経皮」の両面で考える必要があります。皮膚・眼への障害のおそれが「明らか」な皮膚等障害化学物質等については、リスクアセスメントの結果を待たず、指定物質を扱う業務に直接かかる義務として保護具の使用が求められます。

SDSに基づき、ばく露部位に応じた適切な保護具を選択することが重要です。