派遣労働者についても、派遣先の正社員との不合理な待遇差を解消する「同一労働同一賃金」が義務付けられています。
この記事では、派遣元が選択する2つの待遇確保方式と説明義務、その他の保護規定について解説します。
同一労働同一賃金とは
派遣労働者と派遣先の通常の労働者との間の不合理な待遇差を解消するための仕組みです。派遣元は、次の2つの方式のいずれかで待遇を確保します。
①派遣先均等・均衡方式
派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇を確保する方式です。この方式では、派遣先が比較対象労働者の待遇情報を派遣元に提供する義務があります。
②労使協定方式
派遣元の過半数代表等との労使協定により待遇を決定する方式です。同種業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額(局長通知)と同等以上であることが必要です。実務上は、こちらを採用する派遣元が多数を占めています。
待遇に関する説明義務
派遣元は、派遣労働者に対し次のタイミングで待遇を説明します。
- 雇入れ時
- 派遣開始時
- 派遣労働者から求めがあったとき
なお、派遣労働者から説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新時等に資料の交付や、説明を求めることができる旨を周知する対応が望ましいとされています。
派遣労働者の同一労働同一賃金改正ポイントのご案内~令和8年10月1日施行~
その他の保護規定
- 特定の者を派遣労働者として指名することの禁止(派遣先。ただし紹介予定派遣を除く)
- 派遣労働者の個人情報の保護
- 紛争解決のための行政ADR(調停等)
むすび
派遣労働者の同一労働同一賃金は、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの方式から選択して確保します。
実務では労使協定方式が多数を占めますが、いずれの方式でも待遇に関する説明義務が課されます。
派遣労働者の待遇の公正性を確保するための仕組みが、派遣元・派遣先双方の協力によって支えられています。

