労働契約申込みみなし制度は、違法派遣を受け入れた派遣先に重いペナルティを課す制度です。
この記事では、制度の内容と対象となる違法派遣の4類型、行政の対応について解説します。
労働契約申込みみなし制度とは
派遣先が違法派遣であることを知らず、かつ知らなかったことに落ち度(過失)がない場合を除き、違法派遣を受け入れた時点で、派遣先が派遣労働者に対して「労働契約の申込みをした」とみなす制度です。
対象となる違法派遣(4類型)
- 派遣禁止業務での受入れ
- 無許可事業主からの受入れ
- 期間制限(事業所単位・個人単位)違反
- 偽装請負等(法の適用を免れる目的での受入れ)
申込みとみなされる労働条件
派遣元での雇用契約と「同一の労働条件」となります。派遣元での内容がそのまま引き継がれます。
みなしのポイント
- 派遣先が「善意無過失(知らず、落ち度もない)」なら適用されない
- 派遣労働者が承諾すれば、派遣先との労働契約が成立する
- みなされた申込みは、その派遣が終了した日から1年間は撤回できない
- 派遣労働者は、違法派遣の期間中および終了から1年以内なら承諾が可能
行政による指導・監督
厚生労働大臣は、派遣元・派遣先への指導・助言・勧告等を行います。
悪質な派遣元に対しては、改善命令・労働者派遣の停止や許可取消などの厳しい処分が下されることもあります。
むすび
労働契約申込みみなし制度は、違法派遣を受け入れた派遣先に対し、派遣労働者からの承諾だけで労働契約が成立するという重い効果を生じさせます。
禁止業務・無許可・期間制限違反・偽装請負の4類型が対象であり、派遣先が善意無過失でない限り適用されます。
派遣先にとっては、受入れ時のコンプライアンスチェックがきわめて重要な意味を持つ制度です。
