2025年4月1日施行の改正により、労働者から介護に直面した旨の申出があった場合、事業主は介護休業制度等について個別に周知し、利用意向を確認する義務が課されました。
この記事では、制度の概要・周知すべき事項・実施タイミングについて解説します。
制度の概要(第21条第4項)
労働者が介護に直面した旨の申出をしたときは、事業主は当該労働者に対して介護休業制度および介護両立支援制度等について個別に周知し、利用意向を確認しなければなりません。
「介護に直面した旨の申出」とは
対象家族が当該労働者の介護・支援を必要とする状況に至った事実を申し出たことをいいます。
たとえば、親が骨折し歩行・食事等の日常生活に必要な便宜を供与する必要が生じた旨の申出が該当します。
障害児・者や医療的ケア児・者が常時介護を必要とする状態も含まれます。
周知すべき事項
- 介護休業に関する制度および介護両立支援制度等
- 介護休業および介護両立支援制度等の申出先
- 介護休業給付金に関すること
介護両立支援制度等とは
- 介護休暇
- 所定外労働の制限
- 時間外労働の制限
- 深夜業の制限
- 介護のための所定労働時間の短縮等の措置
個別周知・意向確認の方法
面談(オンライン可)または書面交付により行います。
労働者が希望する場合はFAX・メール等によることも可能です。
実施のタイミング
介護休業の場合
- 開始希望日の1か月以上前に申出:2週間前まで
- 開始希望日の1か月以内に申出:できる限り早い時期(1週間以内等)
短時間勤務などの介護両立支援制度等の場合
- 開始希望日の2か月以上前に申出:1か月前まで
- 開始希望日の2か月以内に申出:できる限り早い時期(2週間以内等)
注意点
取得を控えさせるような形での周知・意向確認は認められません。
また、家族の介護に関する情報は労働者の意向を踏まえ、必要最小限の範囲での管理に配慮することが必要です。
むすび
介護に直面した旨の申出があった場合、事業主は介護休業制度・申出先・介護休業給付金の3事項を個別に周知し、利用意向を確認する義務があります。
実施タイミングは介護休業と介護両立支援制度等で異なり、前者は開始希望日の2週間前まで、後者は1か月前までが目安です。
取得を控えさせるような周知・意向確認は認められず、介護に関する情報の適切な管理にも配慮が必要です。
