2025年10月1日施行の改正により、事業主は労働者の仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取し、その内容に配慮する義務が課されました。
この記事では、聴取のタイミング・聴取すべき事項・配慮義務の内容について解説します。
制度の概要(第21条第2項・第3項)
事業主は、以下の2つのタイミングで労働者の仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取しなければなりません。
- 本人または配偶者が妊娠・出産等を申し出たとき
- 子が3歳になるまでの適切な時期(1歳11か月〜2歳11か月の1年間)
聴取すべき事項
- 始業・終業の時刻
- 就業の場所
- 両立支援制度等の利用期間(育児休業、子の看護等休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、短時間勤務制度、柔軟な働き方を実現するための措置等)
- その他仕事と育児の両立の支障となる事情の改善に資する就業に関する条件
意向聴取の方法
面談(オンライン可)または書面交付により行います。
労働者が希望する場合はFAX・メール等によることも可能です。
配慮義務
聴取した意向を踏まえ、事業所の状況に応じて必要な配慮を行う必要があります。
すべての希望を叶えることまでを強制するものではありませんが、「検討し、配慮するプロセス」が大切です。
また、労働者から示された意向そのものではなく、可能な代替案を検討し措置することも認められます。
配慮の例
- 始業・終業の時刻
- 就業の場所
- 業務量
- 両立支援制度等の利用期間
- その他労働条件
特別な配慮が望ましいケース
子に障害がある場合・医療的ケアを必要とする場合
短時間勤務制度や子の看護等休暇の利用期間への配慮が望ましいとされています。
ひとり親家庭の場合
子の看護等休暇等の付与日数への配慮が望ましいとされています。
むすび
2025年10月施行の改正により、事業主は妊娠・出産等の申出時と子が1歳11か月〜2歳11か月の時期の2つのタイミングで、始業・終業時刻・就業場所・両立支援制度の利用期間等について労働者の意向を個別に聴取する義務を負います。
すべての希望に応えることまでは求められませんが、検討・配慮するプロセスは不可欠です。
子に障害がある場合やひとり親家庭では、さらに踏み込んだ配慮が望ましいとされています。
