妊娠・出産等の申出があった場合の個別周知・意向確認|育児・介護休業法の事業主義務を解説

妊娠・出産等の申出があった場合の個別周知・意向確認|育児・介護休業法の事業主義務を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働者から妊娠・出産等の申出があった場合、事業主は育児休業制度等について個別に周知し、取得意向を確認する義務があります。

この記事では、周知すべき事項・実施方法・タイミングについて解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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制度の概要(第21条第1項)

労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たときは、事業主は当該労働者に対して育児休業制度等について個別に周知し、取得意向を確認しなければなりません。

周知すべき事項

  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  • 育児休業・産後パパ育休の申出先
  • 育児休業給付および出生後休業支援給付に関すること(2025年4月から出生後休業支援給付が追加)
  • 労働者が育児休業期間・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取扱い

個別周知・意向確認の方法

面談(オンライン可)または書面交付により行います。

労働者が希望する場合はFAX・メール等によることも可能です。

法令上、面談の記録は義務ではありませんが、トラブル防止のため記録しておくことが望ましいとされています。

実施のタイミング

申出の時期に応じて、以下のとおり実施します。

  • 出産予定日の1か月半以上前の申出:出産予定日の1か月前まで
  • 出産予定日の1か月半〜1か月前の申出:できる限り早い時期(2週間以内等)
  • 出産予定日の1か月〜2週間前の申出:できる限り早い時期(1週間以内等)
  • 出産予定日の2週間前以降・出生後の申出:できる限り速やかに

意向確認の注意点

取得を控えさせるような形での周知・意向確認は認められません。

「取得するか未定」という意向も確認の対象に含まれます。

また、妊娠・出産等に関する情報は労働者の意向を踏まえ、必要最小限の範囲で管理することが必要です。

対象労働者

日々雇用される者を除くすべての労働者が対象です。

有期雇用労働者も別途要件なく対象となります。

むすび

妊娠・出産等の申出があった場合、事業主は育児休業制度・申出先・給付・社会保険料の4事項を個別に周知し、取得意向を確認する義務があります。

実施のタイミングは申出時期に応じて異なり、取得を控えさせるような形での実施は認められません。

2025年4月から周知事項に出生後休業支援給付が追加された点にも注意が必要です。