育児・介護休業法は、職場における育児休業等に関するハラスメントの防止措置を事業主に義務付けています。
この記事では、ハラスメントの類型・必要な措置の内容・他のハラスメント防止措置との関係について解説します。
ハラスメント防止措置義務(第25条)
事業主は、職場における育児休業等に関するハラスメントを防止するため、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。
ハラスメントの類型
①制度等の利用への嫌がらせ型
育休・介護休業等の利用を妨げる言動が該当します。「育休を取るなら辞めてもらう」「休むなら給与を下げる」などが例として挙げられます。
②状態への嫌がらせ型
妊娠・出産・育児・介護の状態を理由とした嫌がらせが該当します。「妊娠するなんて迷惑だ」「子どもが生まれたら仕事に来るな」などが例として挙げられます。
必要な措置の内容(5つ)
①事業主の方針の明確化・周知・啓発
就業規則等にハラスメント禁止を明記し、周知・研修を実施します。
②相談体制の整備
相談窓口を設置・周知し、相談対応者を配置します。
③職場内での迅速・適切な事後対応
事実確認、行為者への適正な措置、再発防止策を実施します。
④ハラスメントの予防措置
業務体制の整備など、ハラスメントが生じにくい環境を整えます。
⑤プライバシー保護・不利益取扱い禁止の周知
相談者・行為者のプライバシーを保護するとともに、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止を周知します。
他のハラスメント防止措置との関係
以下のハラスメント防止措置と一体的に相談窓口を設置し、一元的に対応することが望ましいとされています。
- セクシュアルハラスメント(均等法第11条)
- 妊娠・出産等に関するハラスメント(均等法第11条の3)
- パワーハラスメント(労働施策総合推進法第30条の2)
行為者の範囲
行為者は上司・同僚に限らず、部下からの言動も含まれます。
むすび
育児・介護休業法第25条は、制度利用への嫌がらせ型と状態への嫌がらせ型の2類型のハラスメントを防止するため、事業主に5つの措置の実施を義務付けています。
相談窓口はセクハラ・マタハラ・パワハラの窓口と一体的に設置し一元的に対応することが望ましく、行為者は上司・同僚だけでなく部下も含まれる点に注意が必要です。
