令和8年3月、厚生労働省は新たな「高年齢者等職業安定対策基本方針」を策定しました。令和8年度から令和11年度までの4年間を対象とする方針です。
この記事では、その政策目標と推進施策について解説します。
基本方針とは
基本方針は、高年齢者雇用安定法第6条第1項に基づき、厚生労働大臣が策定するものです。人口や高齢化の推移、高年齢者の雇用・就業の状況等を踏まえ、就業率等の今後の目標を設定し、施策の基本等を定めます。
対象期間
令和8年度から令和11年度までの4年間です(令和8年3月31日策定)。
政策目標(令和11年=2029年までに達成を目指す)
- 60〜64歳の就業率:79.0%以上(2024年実績:74.3%)
- 65〜69歳の就業率:57.0%以上(2024年実績:53.6%)
- 70歳までの就業確保措置の実施率:40.0%以上(2025年6月1日時点:34.8%)
推進する基本施策
- 70歳までの就業確保措置のさらなる拡大・高齢期の処遇改善のための企業支援の強化
- ハローワークの「生涯現役支援窓口」によるきめ細かなマッチングの推進
- シルバー人材センター事業の活性化等による多様な就業機会の提供
実務へのヒント
新たな基本方針では、単なる雇用確保だけでなく、高齢者が安心・安全に働ける職場環境の改善(エイジフレンドリーな職場づくり)やリスキリングも重視されています。
企業には、定年延長や継続雇用といった制度面の対応に加え、高齢期の処遇改善や安全配慮といった「働き続けられる環境づくり」が求められています。
むすび
新たな「高年齢者等職業安定対策基本方針」は、令和11年(2029年)までに60〜64歳の就業率79.0%以上、70歳までの就業確保措置の実施率40.0%以上などの目標を掲げています。
努力義務である70歳までの就業確保措置のさらなる拡大が政策の柱であり、企業には制度整備と職場環境改善の両面からの対応が期待されています。
