こども性暴力防止法では、性暴力の兆候を早期につかむための「早期把握のための措置」と、こどもが相談しやすくするための「相談体制の整備」が義務付けられています。
この記事では、施行規則が定める具体的な措置の内容について解説します。
早期把握のための措置とは(法第5条第1項・則第8条)
従事者による児童対象性暴力等の「おそれ」を早期に把握するため、学校設置者等は必要な措置を講じなければなりません。被害が深刻化する前に、兆候をつかむための仕組みです。
施行規則第8条では、具体的に次の措置が定められています。
- 児童等の日常的な観察
- 児童等の発達段階・特性および事業の特性に応じた、定期的な面談または質問票の使用
- ①②を通じて児童対象性暴力等の疑いを把握した場合における、適切な報告その他の対応を確保するための手順の策定と、従事者・児童等・保護者への周知
単に面談を行うだけでなく、日常的な観察と、疑いを把握した後の報告・対応手順まで整備することが求められている点がポイントです。
相談体制の整備(法第5条第2項・則第9条)
児童等が容易に相談を行うことができるよう、必要な措置を講じなければなりません。
施行規則第9条では、次の措置が定められています。
- 事業者における相談員の選任または相談窓口の設置と、児童等・保護者への周知
- 外部の相談窓口の、児童等・保護者への周知
内部の相談体制と、外部相談窓口の周知の両方が求められています。
相談体制の留意点(ガイドライン)
ガイドラインでは、相談体制について次の点に留意するよう示されています。
- 相談を受け得る従事者への研修を行う
- 相談できる内容を「性暴力」に限定しない(広く相談を受ける中で兆候を把握する)
- 相談者の秘密保持を徹底する
ポイント
「早期把握(観察・面談)」と「相談体制」は車の両輪です。
こどもの側から声を上げやすくし、かつ事業者の側から兆候を取りにいくという、双方向の仕組みが求められています。
むすび
早期把握のための措置(則第8条)は、日常的な観察・定期的な面談や質問票・疑い把握後の報告手順の策定までを含みます。
相談体制の整備(則第9条)は、内部の相談員・窓口の設置と外部窓口の周知が柱です。
いずれも施行規則で具体的に定められており、形式的な窓口設置にとどまらない実質的な体制づくりが必要です。
