放課後等デイサービスや児童発達支援は、こども性暴力防止法の義務対象だと説明されることが多くあります。ただし、正確には「指定を受けているかどうか」で扱いが分かれます。基準該当や共生型の事業所、義務対象と認定対象の事業をあわせて運営している事業者は、自分たちがどちらに当たるのかを確認しておく必要があります。
分かれ目は「指定」の有無
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援のうち、こども性暴力防止法の義務対象になるのは「指定障害児通所支援事業」です。
指定障害児通所支援事業とは、児童福祉法第21条の5の3第1項の指定を受けて行う障害児通所支援のことです。この指定を受けているかどうかで、義務対象か認定対象かが分かれます。
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 指定を受けている障害児通所支援 | 義務対象(学校設置者等) |
| 指定を受けていない障害児通所支援 | 認定対象(民間教育保育等事業者) |
義務対象であれば、法律上当然に犯罪事実確認などの措置を行わなければなりません。認定対象であれば、国の認定を受けるかどうかは任意で、認定を受けた場合に措置が義務になります。
基準該当の障害児通所支援
基準該当通所支援とは、指定の基準をすべては満たしていないものの、市町村が一定の基準を満たすと認めて給付の対象にしているサービスです。
Q&Aは、基準該当通所支援を行う事業者は、児童福祉法第21条の5の3第1項の指定を受けていないため、指定障害児通所支援事業には当たらないとしています。そのうえで、「指定障害児通所支援事業以外の障害児通所支援事業」を行う者として、認定対象事業者になると答えています。
認定対象事業者は、認定を受けなければ犯罪事実確認の仕組みを使えません。基準該当の事業所が犯罪事実確認を行いたい場合は、認定を受ける必要があります。
共生型の特例で行う障害児通所支援
共生型とは、介護保険や障害福祉サービスの事業所が、特例を使って障害児通所支援もあわせて行う仕組みです。
Q&Aは、共生型障害福祉サービスの特例を受けて障害児通所支援を行う場合、児童福祉法第21条の5の3第1項の指定を受けているため、指定障害児通所支援事業に当たり、義務対象事業者になるとしています。
基準該当と共生型は、どちらも「通常の指定とは違う形」と受け止められがちです。ただ、こども性暴力防止法での扱いは正反対になります。
| 事業の形 | 指定 | こども性暴力防止法での扱い |
|---|---|---|
| 基準該当 | 受けていない | 認定対象 |
| 共生型 | 受けている | 義務対象 |
義務対象と認定対象を一体的に運営している場合
義務対象の事業に付随して、認定対象の事業もあわせて運営している事業者もいます。
こども家庭庁の「事業者アカウントまとめ登録に関するQ&A」は、義務対象事業に付随する認定対象事業を、ガイドラインに定められた要件を満たして一体的に行っている場合、認定対象事業の従事者についても、義務対象事業の従事者として犯罪事実確認を行うことができるとしています。
この場合のまとめ登録の記入方法も示されています。
- 一体的に運営している認定対象事業の施設・事業所の情報は、記入する必要がない
- 義務対象事業の「施行時現職者数」には、認定対象事業の施行時点の従事者数も含めた数を記入する
一体的運営に当たるかどうかは、ガイドラインの要件で確認してください。
1つの施設で複数の義務対象事業を行う場合
たとえば、1つの施設で認可保育所とこども誰でも通園制度の両方を行っている場合です。まとめ登録では、事業類型ごとに1行ずつ施設・事業所の情報を入力します。
まとめ登録の受付期間はすでに終わっています。記入方法は、登録済みの内容に誤りがないかを確認する材料として使ってください。
実務の進め方
自分の事業所がどちらに当たるかは、次の順で確認していきます。
- 自社の事業を、「指定」「認可」「届出」などの別まで含めて書き出す
- 事業ごとに、義務対象か認定対象かを確認する
- 義務対象と認定対象をあわせて運営している場合は、一体的運営に当たるかをガイドラインの要件で確認する
指定の有無は、指定通知書などで確認できます。
まとめ
- 障害児通所支援で義務対象になるのは、児童福祉法第21条の5の3第1項の指定を受けた「指定障害児通所支援事業」
- 基準該当の事業所は指定を受けていないため、認定対象
- 共生型の特例で行う事業所は指定を受けているため、義務対象
- 義務対象事業に付随する認定対象事業を要件を満たして一体的に行っている場合、その従事者も義務対象事業の従事者として確認できる
- 1つの施設で複数の義務対象事業を行う場合、まとめ登録は事業類型ごとに入力する
同じ「放デイ」「障害児通所支援」でも、指定の有無で扱いが変わります。事業の名前ではなく、法律上の位置づけで判断してください。
