特定化学物質障害予防規則(特化則)は、がん等の重篤な健康障害を引き起こす化学物質から労働者を守るための省令です。
この記事では、特定化学物質の3つの分類と、発がん性に着目した「特別管理物質」について解説します。
特化則とは
特化則は、特定化学物質による健康障害(がん・神経障害・皮膚障害等)から労働者を守るための省令で、労働安全衛生法に基づく特別則です。
特定化学物質は3つに分類(有害性で区分)
第1類物質
がん等の慢性・遅発性障害を起こすおそれが特に高く、製造に厚生労働大臣の許可が必要な物質です(PCB・ベンジジン等)。
第2類物質
がん等の慢性・遅発性障害を起こすおそれがある物質で、第1類に該当しないものです。
第3類物質
大量漏えいで急性中毒を起こす物質です(アンモニア・硫酸等)。
第2類物質はさらに4つに細分
- 特定第2類物質:特に漏えいに留意すべき物質
- 特別有機溶剤等:発がんのおそれがあり、有機溶剤と同様に作用する物質(クロロホルム等)
- オーラミン等:尿路系器官にがん等を発生するおそれのある物質
- 管理第2類物質:①〜③以外の第2類物質
特別管理物質とは(重要)
特別管理物質とは、第1類物質・第2類物質のうち、「がん原性物質またはその疑いのある物質」をいいます。
発がん性に着目した、特に重い管理が求められる区分です。
過去記事で扱った特別有機溶剤等も、単一成分1%超で取り扱う場合は特別管理物質に含まれます。
特別管理物質に求められる主な措置
- 有害性等の掲示(第38条の3)
- 作業記録の作成(1ヶ月以内ごと・第38条の4)
- 記録の30年間保存(作業環境測定・評価・健康診断・作業記録)
- 事業廃止時に記録を労働基準監督署長へ提出(第53条)
これらの「30年保存」は、発がんの遅発性影響に備えるためのものです。
むすび
特化則は、「3分類+第2類の4細分+特別管理物質」という重層的な構造を持っています。
なかでも、発がん性に着目した特別管理物質の30年保存は、最も重要な論点です。
特別有機溶剤等が特別管理物質に含まれる点も含め、自社で扱う物質がどの分類に該当するかを正確に把握することが、適切な管理の出発点となります。
