こども性暴力防止法の対象事業者は、義務対象である「学校設置者等」と、認定対象である「民間教育保育等事業者」の2類型に分かれます。
この記事では、法律上当然に義務がかかる「学校設置者等」の範囲と、対象となる従事者について解説します。
対象事業者は2類型
- 学校設置者等(第2条第3項)→法律上当然に義務(今回はこちらを解説)
- 民間教育保育等事業者(第2条第5項)→国の認定を受けた場合に義務(別記事にて解説)
「学校設置者等」とは(第2条第3項)
本法に定める措置を「義務」として実施すべき事業者です。認定を受けるかどうかにかかわらず、当然に義務がかかります。
義務対象となる主な施設
- 学校(幼稚園、小中学校、義務教育学校、高校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校)
※大学は除外 - 専修学校(高等課程)
- 認定こども園
- 児童福祉施設(保育所、乳児院、母子生活支援施設、児童館、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設等)
- 児童相談所(一時保護施設を含む)
- 指定障害児通所支援事業(児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、居宅訪問型児童発達支援)
- 家庭的保育事業等(家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業)
- 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)
「教員等」とは(対象従事者)
学校設置者等における犯罪事実確認等の対象となる従事者は「教員等」と定義されています。
教員等は、その業務の実態が支配性・継続性・閉鎖性の3要件をすべて満たすものが対象となります。
3要件の具体的解釈
支配性:業務上、指導・コミュニケーション等を通じて児童等に対し優越的立場に立つ機会が想定される場合。日々顔を合わせ会話等を不定期に行うのみでも、成人とこどもという関係上、自然に支配性が生じ得るため、業務の中で児童等と接する機会が継続的にある場合は原則として支配性ありと判断されます。
継続性:日常的・定期的に児童等と接する機会が想定される業務や、法律に明記された教諭・保育士のように一般的に継続性をもって接することが想定される業務は、短期・長期を問わず継続性ありと判断されます。一方、年1回のイベント講師や緊急時の突発的な接触など一時的なものは、継続性なしと判断され得ます。
閉鎖性:他の職員や保護者等が同席しないなど、第三者の目に触れない状況で児童等と接し得る場合は閉鎖性ありと判断されます。なお、SNSや学習ツール等を通じたオンラインでの接触も含まれます(録画配信など児童等とのやりとりが生じないものは除く)。
雇用形態を問わず、短期労働者・ボランティア等であっても、3要件を満たす場合は確認義務の対象となります。
義務の概要
- 犯罪事実確認(特定性犯罪前科の有無の確認)
- 安全確保措置(面談・相談体制等)
- 防止措置(おそれありの場合の業務からの排除等)
- 情報管理措置
むすび
「学校設置者等」は、学校・認定こども園・各種児童福祉施設・障害児通所支援・家庭的保育事業など幅広く、これらは認定の有無にかかわらず当然に措置義務を負います。
対象となる従事者は「教員等」として、支配性・継続性・閉鎖性の3要件をすべて満たすかどうかで判断され、雇用形態やボランティアか否かは問われません。
