こども性暴力防止法への対応では、採用面接・選考の進め方にも注意が必要です。
この記事では、採用選考の全体像と面接時の留意点について、犯罪事実確認との関係を踏まえて解説します。
採用選考の全体像(時系列)
- 募集:採用条件に「特定性犯罪前科がないこと」を明示する
- 面接・選考:誓約書・履歴書等で前科の有無を書面確認する
- 内定:内定通知書に「重要な経歴の詐称」等の取消事由を明記する
- 内定後〜従事前:法に基づく犯罪事実確認を実施する
- 確認完了後:問題なければ対象業務に従事させる
面接・選考時に「伝えておくべきこと」
求職者・内定者に、あらかじめ次の事項を伝達しておきます。
- この職務が犯罪事実確認の対象であること
- 本人から国へ戸籍等の提出が必要になること
- 特定性犯罪事実該当者と確認された場合、または戸籍等の提出がなく期限までに確認書の交付がされない場合は、対象業務に従事できないこと
犯罪事実確認のタイミング
犯罪事実確認は、内定後〜従事前に実施する想定です。
確認が済むまでは、原則としてこどもと1対1にさせない措置をとる必要があります。
「おそれあり」と確認された場合の措置
- 内定者:内定取消し等
- 採用後・現職者:配置転換、業務範囲の限定等
事前の確認・明示(募集要項・誓約書・内定通知書)が、これらの措置の適法性を支えます。
面接で「前科を直接聞く」ことの注意
選考時に確認するのは、あくまで「特定性犯罪前科がないことの誓約」です。法に基づく犯罪事実確認(戸籍照会)とは、目的も方法も異なります。取得した情報は、採用選考の目的の範囲で適正に管理する必要があります。
さらに、前科を口頭で広く聞き出すことは、職業安定法の個人情報収集制限に抵触するリスクがあります。そのため、あらかじめ定めた書面での誓約に留めることが重要です。
ポイント
採用段階の書面確認(労務)と、法に基づく犯罪事実確認(日本版DBS)は別物ですが、「連続した一連の流れ」として設計することが重要です。
募集から従事までの各段階を一貫して整えることで、適法かつ円滑な対応が可能になります。
むすび
採用面接・選考では、募集から従事までの流れを時系列で設計し、各段階で必要な伝達と書面確認を行うことが求められます。
前科の確認は口頭ではなく書面の誓約に留め、職業安定法上の個人情報収集制限にも配慮が必要です。
採用段階の書面確認と法の犯罪事実確認を一連の流れとして整えることが、適法な雇用管理の鍵となります。
