放射性同位元素を扱う医療現場では、RI規制法・医療法・電離則という3つの法律が役割を分担しています。
この記事では、医療現場でRI規制法が適用除外となる理由と、3法の役割分担について解説します。
なぜ医療現場ではRI規制法が「適用除外」になるのか
RI規制法は、「ヒトへの放射性医薬品・医療機器の使用」を想定しておらず、投与に関する基準がありません。そのため、RI規制法のままでは、事実上ヒトへの投与ができません。
そこで、条件を満たしたものを医療法の規制対象とし、RI規制法の適用除外とすることで、ヒトへの投与を可能にしています。
医療現場を規律する「3つの法律」の役割分担
RI規制法(原子力規制委員会)
製造所・流通段階の放射性物質を規制します。
医療法(厚生労働省)
病院・診療所での放射性同位元素の使用・患者への投与を規制します(診療用放射性同位元素・PET用RI等として規制)。
電離則(厚生労働省)
医療機関で働く「労働者(放射線診療従事者)」の被ばくを管理します。
医療法による規制(医療機関)
- 診療用放射性同位元素等を備える際は都道府県知事等へ届出
- 使用室・貯蔵施設・廃棄施設等の構造設備基準
- 管理区域(3ヶ月間1.3mSv等)の設定
- 患者の退出基準(指針)
「患者」と「労働者」で守る法律が違う
同じ医療機関の中でも、守る対象によって適用される法律が異なります。
- 患者の安全 → 医療法
- 労働者(医師・技師・看護師等)の被ばく → 電離則
エックス線装置との違いにも注意
エックス線装置(放射線発生装置)は、医療法と電離則で規律され、RI規制法の対象外です。
医療用の放射線発生装置は、RI規制法とは別系統で扱われます。
一方、放射性同位元素については、前述のとおり3法が役割分担します。
むすび
RI規制法は「線源・施設」を、電離則は「労働者」を、医療法は「患者・医療提供体制」を守る法律です。
放射性物質を扱う現場では、「誰を・何を守る法律か」という視点で切り分けることが、コンプライアンスの核心となります。
RI規制法の全体像を踏まえ、電離則・医療法・薬機法との役割分担を整理することが、安全管理と法令遵守の出発点になります。
