こども性暴力防止法では、性暴力の疑いを把握した場合に備えて、事業者があらかじめ「報告ルール」と「対応ルール」を策定・周知しておくことが求められます。
この記事では、両ルールの内容と、認定対象事業者のみが必要な「対処規程」との違いについて解説します。
全事業者に共通で必要な書類
施行時(義務対象事業者)または認定申請時(認定対象事業者)までに、事業者は「報告ルール」「対応ルール」をあらかじめ策定・周知しておく必要があります。
これは義務対象・認定対象を問わず共通して求められるものです。
報告ルールとは
従事者が児童対象性暴力等や「不適切な行為」の疑い等を把握した場合に、どう報告するかを定めたルールです。次のような事項を定めます。
- 報告方法(直ちに報告する等)
- 報告先
- 報告内容
対応ルールとは
報告等により疑いを把握した後、事業者としてどう対応するかを定めたルールです。次のような事項を定めます。
- 対応者(誰が対応するか)
- 対応事項(何をするか)
- 対応手順(どの順で進めるか)
整備のポイント
- こども家庭庁が公開しているひな型をベースにする
- 自社の組織体制・業務運営に合わせて、報告先・対応者・手順を具体化する
- 策定して終わりではなく、従事者への「周知」が必須
ひな型をそのまま使うのではなく、実際の組織の指揮命令系統や業務フローに即して具体化することが重要です。
「対処規程」との違い(要注意)
「児童対象性暴力等対処規程」は、認定対象事業者のみが認定申請時に作成・添付する書類です。
義務対象事業者(学校・認可保育所・認定こども園・放課後等デイサービス等)は、対処規程そのものを作成する必要はありません。
報告ルール・対応ルールはすべての事業者に共通、対処規程は認定対象事業者に限定、という区別を押さえておく必要があります。
ひな型の入手先
こども家庭庁の「各種ひな型・参考例 リンク集」で、報告ルール・対応ルール・対応フロー等のひな型が公開されています。
これらを活用することで、ゼロから作成する負担を抑えつつ、自社の実態に合わせた整備が可能です。
むすび
報告ルール・対応ルールは、義務対象・認定対象を問わずすべての事業者が施行時・認定申請時までに策定・周知すべき書類です。
一方、対処規程は認定対象事業者が認定申請時に提出する書類であり、義務対象事業者には不要です。
この区別を取り違えないことが、施行準備を効率的に進めるうえで重要です。
