こども性暴力防止法では、性暴力の疑いを把握した場合の調査、被害児童等の保護・支援、そして「おそれあり」と認められる場合の防止措置が定められています。
この記事では、被害把握時の一連の対応について解説します。
疑いを把握したら:調査の実施
学校設置者等は、従事者による児童対象性暴力等が行われた疑いがあると認めるときは、速やかに調査を行わなければなりません。
被害児童等の保護・支援
調査等の結果、児童等が被害を受けたと認めるときは、当該児童等の保護・支援のために必要な措置を講じなければなりません。
こどもの心身のケアや、関係機関との連携等が求められます。
「おそれあり」と認められる場合:防止措置(第6条)
次の事情を踏まえ、「児童対象性暴力等のおそれあり」と認められる場合、教育・保育等の業務に従事させない等の防止措置を講じなければなりません。
①犯罪事実確認の結果(特定性犯罪前科あり)
②面談・相談・調査等で把握した事情
防止措置の具体例
- こどもと接する業務から外す(配置転換)
- こどもと1対1にさせない
- 内定者の場合は内定取消し等
重要ポイント:前科ありは「おそれあり」と判断
特定性犯罪前科が確認された場合は、「おそれあり」と判断され、防止措置は必須となります。
事業者の裁量で「問題ない」と判断する余地はない点に注意が必要です。
実務上の留意点
防止措置(配置転換等)は雇用管理上の措置を伴うため、就業規則の整備・従事者への事前周知が不可欠です(詳細は別記事で解説します)。
特に内定者に対しては、事前の防衛策が不可欠です。
- 就業規則に、経歴詐称時の「試用期間中の解約」や「懲戒事由」を明記する
- 採用募集要項に、「特定性犯罪前科がないこと」を明示する
- 誓約書・履歴書等で、特定性犯罪前科の有無を書面で確認する
むすび
被害把握時の対応は、調査の実施 → 被害児童等の保護・支援 → おそれありの場合の防止措置という流れで進みます。
特に特定性犯罪前科が確認された場合は「おそれあり」として防止措置が必須となり、配置転換や内定取消し等の雇用管理上の措置が必要になります。
これらを適法に行うための就業規則・誓約書等の整備については、別記事で詳しく解説します。
