雇用保険の不正受給には、厳しいペナルティが科されます。
この記事では、不正受給の定義と返還命令・納付命令について解説します。
不正受給とは
不正受給とは、偽りその他不正の行為により失業等給付等の支給を受け、または受けようとすることです。
意図的に虚偽の申告を行った場合だけでなく、過失による申告漏れも不正受給とみなされる場合があります。
不正受給の例
不正受給に該当する主な例は、次のとおりです。
- 就労したにもかかわらず申告しなかった
- 収入があったのに申告しなかった
- 離職理由を偽った
- 求職活動の実績を偽った
失業認定申告書への虚偽記載や申告漏れが典型的な不正受給のケースです。
返還命令
不正受給が発覚した場合、不正に受給した金額の返還を命じられます。
全部または一部の返還が求められます。
納付命令(3倍返し)
返還命令に加えて、納付命令が発せられる場合があります。
納付命令の内容 不正受給額に加え、その額の2倍以下の金額の納付を命じられる場合があります。
最大のペナルティ 最大で不正受給額の3倍を納付することになります。
これが「3倍返し」と呼ばれるペナルティです。
支給停止
不正行為があった日以降、基本手当等の支給が停止されます。
残日数があっても支給されません。
不正受給により、本来受給できるはずだった給付も失うことになります。
延滞金
返還命令・納付命令に応じない場合、延滞金が課されます。
延滞金の割合 年14.6%(納期限から2か月以内は年7.3%)
ただし、現在は特例によりこれより低い率が適用されています。
事業主の連帯責任
事業主が不正受給に関与した場合、連帯して返還・納付の責任を負います。
離職理由の虚偽証明など、事業主が協力した場合は、事業主も処罰の対象となります。
雇用関係助成金の不正受給について
【不正受給の場合】
雇用関係助成金の不正受給について|厚生労働省
- 不正に受給した助成金は、全額返還しなければなりません。また、全額返還のほか、不正受給日の翌日からの延滞金、不正受給した額の2割に相当する額も納付しなければなりません。
- 不正受給決定日から5年間、雇用関係助成金(不正受給を行った以外の助成金を含む)は受給できません。また、全額返納されていない場合、この期間は延長されます。
- 公表基準に該当する場合、「事業主名及び代表者名」などが公表されます。
むすび
雇用保険の不正受給には、返還命令、最大3倍の納付命令、支給停止という厳しいペナルティが科されます。
さらに、返還・納付に応じない場合は延滞金も加算されます。
失業認定申告書には正確な情報を記載し、就労や収入があった場合は必ず申告することが重要です。
不正受給は、本人だけでなく事業主も連帯責任を負う可能性がある重大な違反行為です。

