労働安全衛生法の機械等・有害物に関する規制|製造許可・検査・表示義務を解説

労働安全衛生法の機械等・有害物に関する規制|製造許可・検査・表示義務を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働安全衛生法には、機械や有害物質に関する規制があります。

この記事では、機械等の製造許可・検査と有害物の規制について解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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機械等に関する規制

機械等については、次のような規制があります。

①製造許可(第37条)

特定機械等(ボイラー、第一種圧力容器等)の製造には、都道府県労働局長の許可が必要です。

特定機械等の種類(全8種類)

  • ボイラー :水又は熱媒を圧力を有する状態で加熱し、これを他へ供給する設備で一定の要件を備えるもの
    (要件)最高使用圧力が0.1MPaを超える蒸気ボイラーなど
  • 第一種圧力容器 :大気圧における沸点をこえる温度の液体をその内部に保有する容器で一定の要件を備えるもの
    (要件)最高使用圧力(MPa)と内容積(㎥)との積が0.02を超える容器など
  • クレーン :動力を用いて荷をつり上げ、及びこれを水平に運搬することを⽬的とする機械装置で、つり上げ荷重が3トン以上のもの
  • 移動式クレーン :クレーンのうち、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるもので、つり上げ荷重が3トン以上のもの
  • デリック :動力を用いて荷をつり上げることを⽬的とする機械装置であってマストまたはブームを有し、原動機を別置し、ワイヤロープにより操作されるもので、つり上げ荷重が2トン以上のもの
  • エレベーター :積載荷重が1トン以上のエレベーター(一般公衆の用に供するもの等を除く。)
  • 建設用リフト :ガイドレールの高さが18メートル以上の建設用リフトで、積載荷重が0.25トン以上のもの
  • ゴンドラ :つり足場及び昇降装置その他の装置並びにこれらに附属する物により構成され、当該つり足場の作業床が専用の昇降装置により上昇し、又は下降する設備
特定機械等の製造許可、検査等に係る制度の概要、現状及び論点|厚生労働省労働基準局安全衛生部

②検査の種類

機械等には、次のような検査があります。

製造時等検査 ボイラー、クレーン等の設置時に実施します。

性能検査 検査証の有効期間更新のための検査です。

定期自主検査 事業者が自ら定期的に行う検査です。

③譲渡等の制限(第42条)

一定の機械等は、規格・安全装置を具備しなければ譲渡・貸与・設置してはなりません。

有害物に関する規制

有害物については、次のような規制があります。

①製造等禁止物質(第55条)

黄りんマッチ、ベンジジン、石綿等は、製造・輸入・譲渡・提供・使用を禁止されています。

試験研究目的で都道府県労働局長の許可を受けた場合を除きます。

②製造許可物質(第56条)

ジクロルベンジジン等の製造には、厚生労働大臣の許可が必要です。

③表示・通知義務(第57条・第57条の2)

一定の危険・有害な化学物質は、容器等への表示とSDS(安全データシート)の交付が必要です。

リスクアセスメント(第57条の3)

一定の危険・有害な化学物質を取り扱う場合、危険性・有害性の調査を行わなければなりません(義務)。

事前に危険性・有害性を把握し、適切な対策を講じることが重要です。

むすび

労働安全衛生法では、機械等について製造許可、各種検査、譲渡等の制限が定められています。

有害物については、製造等禁止物質、製造許可物質、表示・通知義務などの規制があります。

また、一定の化学物質を取り扱う場合はリスクアセスメントが義務づけられています。

これらの規制により、機械や有害物による労働災害を防止し、安全な作業環境を実現することが目的です。

適切な規制の遵守が、労働者の安全と健康を守る基盤となります。

特定機械等の製造許可、検査等に係る制度の概要、現状及び論点|厚生労働省労働基準局安全衛生部

労働安全衛生法で規制する特定機械について|滋賀労働局

化学物質による労働災害防止のための新たな規制について|厚生労働省