RI規制法は、放射性同位元素や放射線発生装置の使用等を規制する法律です。
医療・研究・産業など幅広い分野に関わり、放射性医薬品の取扱現場でも欠かせません。
この記事では、RI規制法の目的・規制対象・下限数量による線引きについて解説します。
RI規制法とは
正式名称は「放射性同位元素等の規制に関する法律」(昭和32年法律第167号)で、原子力規制委員会が所管します。
通称はRI規制法・RI法です。2019年9月1日施行の改正により、「放射線障害防止法」から現在の名称に変更されました。
法律の目的
放射性同位元素・放射線発生装置等の使用等を規制し、次の2つを実現することで、公共の安全を確保することを目的としています。
- これらによる放射線障害を防止すること
- 特定放射性同位元素を防護すること(核セキュリティ)
②の防護は、2017年の改正で目的に追加されたもので、名称変更の理由にもなりました。
規制対象(3つ)
- 放射性同位元素(RI)
- 放射線発生装置(加速器・サイクロトロン等)
- 放射性汚染物
「下限数量」による線引き
放射性同位元素のすべてが規制対象になるわけではありません。核種ごとに「下限数量(Bq)」「濃度」が定められており、これらを超えるものが規制対象となります。
なお、複数の放射性同位元素がある場合は、各下限数量に対する割合の和が1を超える場合も規制対象となります。
密封/非密封の区別
密封線源は、カプセル等に封入され、漏えい・汚染のおそれが小さいものです。
非密封線源は、封入されていないもの(RI実験・放射性医薬品等)です。汚染管理が必要となり、より厳格な施設基準が課されます。
規制対象から除かれるもの(適用除外)
- 核燃料物質・核原料物質(→原子炉等規制法で規制)
- 薬機法の許可を受けた製造所に存する医薬品・原料等
- 医療法に基づく病院・診療所(一定の範囲)等
むすび
RI規制法は、放射性同位元素・放射線発生装置・放射性汚染物という「線源・施設」を規制する法律です。
下限数量・濃度による線引きや、密封/非密封の区別が規制の出発点となります。
労働者保護を目的とする電離則とは、目的も所管も異なる別系統の法律である点を押さえておくことが重要です。
