こども性暴力防止法の中核をなすのが「日本版DBS」と呼ばれる性犯罪歴等確認の仕組みです。
この記事では、日本版DBSの全体像、確認の対象となる犯罪、照会期間、確認の流れについて解説します。
日本版DBSとは
こどもと接する仕事に就く人について、性犯罪歴の有無を確認し、性犯罪歴のある人がこどもに関わる仕事に就くことを防ぐ仕組みです。
DBSは、英国のDisclosure and Barring Service(前歴開示・前歴者就業制限機構)に由来します。
確認の対象となる「特定性犯罪」
本法で定める一定の性犯罪が対象です。
不同意性交等・不同意わいせつ、児童買春・児童ポルノ、痴漢・盗撮等の条例違反などが含まれます。
なお、下着の窃盗・ストーカー行為等は現時点では対象外とされています。
これらについては、付帯決議で今後の拡大が検討課題とされています。
照会の対象期間(前科がいつまで確認されるか)
- 拘禁刑(服役):刑の執行終了等から20年
- 拘禁刑(執行猶予):裁判確定日から10年
- 罰金刑:刑の執行終了等から10年
この期間は、こどもの安全確保の必要性と、前科に一定の上限を設ける必要性とのバランスから定められたものです。
確認の流れ(プライバシーに配慮した設計)
- 事業者がこども家庭庁に確認を申請する
- 従事者本人が戸籍情報等をこども家庭庁に提出する(本人の戸籍情報は事業者側には渡らない)
- こども家庭庁が法務大臣に性犯罪歴を照会する
- 結果を記した「犯罪事実確認書」が事業者に交付される
本人の戸籍情報が事業者側に渡らない設計になっている点が、プライバシー保護の重要なポイントです。
重要ポイント
事業者に渡るのは「特定性犯罪事実該当者か否か」の結果のみです。
また、犯罪事実確認書は個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当するため、厳格な情報管理が義務付けられます(後の回で解説します)。
再確認
一度確認した者であっても、5年ごとに改めて確認が必要です。
これにより、確認後に新たに前科が生じた場合にも対応できる仕組みとなっています。
むすび
日本版DBSは、特定性犯罪の前科の有無を、本人のプライバシーに配慮しつつ確認する仕組みです。
照会期間は刑の種類に応じて10年〜20年とされ、事業者には結果のみが「犯罪事実確認書」として交付されます。
この確認書は要配慮個人情報であり、厳格な管理が求められます。
