労働基準法の「請求の要否」と「届出の要否」の整理|実務上重要な手続きを解説

労働基準法の「請求の要否」と「届出の要否」の整理|実務上重要な手続きを解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働基準法には、労働者の請求が必要な制度と不要な制度、届出が必要な労使協定と不要な労使協定があります。

この記事では、実務上重要な「請求の要否」と「届出の要否」を整理して解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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「請求が必要」か「不要」かの整理

労働者の保護規定には、労働者の請求が必要なものと不要なものがあります。

請求が必要

次の制度は、労働者からの請求が必要です。

  • 産前休業
  • 妊産婦の時間外・休日・深夜業制限
  • 軽易業務への転換
  • 危険有害業務の制限(産後1年以内)
  • 育児時間
  • 生理休暇
  • 年次有給休暇(労働者の時季指定)

請求が不要

次の制度は、労働者の請求が不要です。

  • 産後休業(強制的に休業)
  • 危険有害業務の制限(妊娠中)

届出が必要な労使協定

労使協定には、労働基準監督署への届出が必要なものと不要なものがあります。

届出が必要

次の労使協定は、届出が必要です。

  • 36協定
  • 1か月単位の変形労働時間制(労使協定による場合)
  • 1年単位の変形労働時間制
  • 1週間単位の変形労働時間制
  • フレックスタイム制(清算期間1か月超)
  • 事業場外みなし(みなし時間が法定労働時間超)
  • 専門業務型裁量労働制

注意点 企画業務型裁量労働制は、労使協定ではなく労使委員会の決議の届出が必要です。

届出が不要

次の労使協定は、届出が不要です。

  • フレックスタイム制(清算期間1か月以内)
  • 事業場外みなし(みなし時間が法定労働時間以内)
  • 賃金控除の労使協定
  • 年休の計画的付与
  • 時間単位年休
  • 育児介護休業等に関する労使協定
  • 一斉休憩の例外に関する労使協定

むすび

労働基準法の制度には、労働者の請求が必要なものと不要なものがあります。

産前休業は請求が必要ですが、産後休業は強制的に休業となります。

また、労使協定には届出が必要なものと不要なものがあり、36協定や変形労働時間制の多くは届出が必要です。

一方、賃金控除の労使協定や年休の計画的付与は届出不要です。

実務上、これらの手続きを正確に理解し、適切に運用することが重要です。