労働基準法には、労働者の請求が必要な制度と不要な制度、届出が必要な労使協定と不要な労使協定があります。
この記事では、実務上重要な「請求の要否」と「届出の要否」を整理して解説します。
「請求が必要」か「不要」かの整理
労働者の保護規定には、労働者の請求が必要なものと不要なものがあります。
請求が必要
次の制度は、労働者からの請求が必要です。
- 産前休業
- 妊産婦の時間外・休日・深夜業制限
- 軽易業務への転換
- 危険有害業務の制限(産後1年以内)
- 育児時間
- 生理休暇
- 年次有給休暇(労働者の時季指定)
請求が不要
次の制度は、労働者の請求が不要です。
- 産後休業(強制的に休業)
- 危険有害業務の制限(妊娠中)
届出が必要な労使協定
労使協定には、労働基準監督署への届出が必要なものと不要なものがあります。
届出が必要
次の労使協定は、届出が必要です。
- 36協定
- 1か月単位の変形労働時間制(労使協定による場合)
- 1年単位の変形労働時間制
- 1週間単位の変形労働時間制
- フレックスタイム制(清算期間1か月超)
- 事業場外みなし(みなし時間が法定労働時間超)
- 専門業務型裁量労働制
注意点 企画業務型裁量労働制は、労使協定ではなく労使委員会の決議の届出が必要です。
届出が不要
次の労使協定は、届出が不要です。
- フレックスタイム制(清算期間1か月以内)
- 事業場外みなし(みなし時間が法定労働時間以内)
- 賃金控除の労使協定
- 年休の計画的付与
- 時間単位年休
- 育児介護休業等に関する労使協定
- 一斉休憩の例外に関する労使協定
むすび
労働基準法の制度には、労働者の請求が必要なものと不要なものがあります。
産前休業は請求が必要ですが、産後休業は強制的に休業となります。
また、労使協定には届出が必要なものと不要なものがあり、36協定や変形労働時間制の多くは届出が必要です。
一方、賃金控除の労使協定や年休の計画的付与は届出不要です。
実務上、これらの手続きを正確に理解し、適切に運用することが重要です。

