育児・介護休業法は、育児・介護休業中の待遇や復帰後の労働条件について、事業主があらかじめ定め周知するよう努力義務を課しています。
この記事では、あらかじめ定めるべき事項・個別明示・関連する給付制度について解説します。
制度の概要(第21条の2)
事業主は、以下の事項についてあらかじめ定め、周知するための措置を講ずるよう努力しなければなりません(努力義務)。
あらかじめ定め・周知すべき事項
①育児休業・介護休業中の待遇に関する事項
賃金・教育訓練の実施等が含まれます。
②育児休業・介護休業後の賃金、配置その他の労働条件に関する事項
昇進・昇格・年次有給休暇等が含まれます。
③その他の事項
- 子を養育しないこととなった場合等の労務提供の開始時期
- 介護休業期間中の社会保険料を事業主に支払う方法
個別労働者への具体的取扱いの明示
申出をした労働者に対して、あらかじめ定めた内容を個人の休業にあてはめた具体的な取扱いを文書交付により明示するよう努力しなければなりません。
あわせて周知することが望ましい制度
- パパ・ママ育休プラス
- 育児のための所定労働時間の短縮措置
- 育児時短就業給付
- その他の両立支援制度
年次有給休暇との関係
育児休業・産後パパ育休・介護休業の期間は、年次有給休暇の出勤率算定において「出勤したものとみなす」こととされています。
休業取得により出勤率が下がり年次有給休暇の権利が失われることがない点は重要なポイントです。
育児時短就業給付(2025年4月創設)
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業する場合、時短就業中の賃金の10%相当額が雇用保険から支給されます。
ただし、給付額と賃金の合計が短縮前の賃金を超えないよう給付率が調整されます。
むすび
育児・介護休業中の待遇・復帰後の労働条件・その他の事項についてあらかじめ定め周知することは事業主の努力義務です。
申出をした労働者に対しては個人の休業にあてはめた具体的な取扱いを文書で明示することも努力義務として求められます。
育児休業等の期間は年次有給休暇の出勤率算定で出勤とみなされる点、2025年4月から育児時短就業給付が創設された点も重要なポイントです。
