両立支援等助成金 育児休業等に関する情報公表加算

両立支援等助成金 育児休業等に関する情報公表加算 実質費用負担の軽減
両立支援等助成金 育児休業等に関する情報公表加算

両立支援等助成金では「育児休業等に関する情報公表加算(支給額:2万円)」があります。情報公表加算単独での申請はできませんが、取り組み自体はとても簡単ですので、助成金申請の有無を問わず、求職者へのアピールポイントにもなりますので、育児休業等に関する情報公表をすることをおススメします。

この記事では、次について解説します。

  • 情報公表加算ができる両立支援等助成金は何ですか?
  • 育児休業等に関する情報はいつの情報ですか?
  • 育児休業等に関する情報の内容は?計算方法は?
  • 育児休業等に関する情報をいつまでに、どこに公表すればよいですか?
著者プロフィール
林 利恵
林 利恵
Rie HAYASHI, MPH, PhD

博士(医学)
特定社会保険労務士
ISO30414 リードコンサルタント/アセッサー

東豊社労士事務所 代表
株式会社東豊経営 代表取締役

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情報公表加算ができる両立支援等助成金は何ですか?

次の両立支援等助成金のコースごとに1事業主1回限り、情報公表加算をあわせて申請することができます。

助成金コース名支給額支給回数
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)第1種<男性労働者の育児休業取得>2万円1~3人目のいずれか1回限り
1事業主1回
育児休業等支援コース
[1]育休取得時
[2]職場復帰時
2万円[1][2]のいずれかに加算して支給。
1事業主1回
育休中等業務代替支援コース
[1]手当支給等(育児休業)
[2]手当支給等(短時間勤務)
[3]新規雇用(育児休業)
2万円[1][2][3]のいずれかに加算して支給。
1事業主1回
柔軟な働き方選択制度等支援コース2万円1事業主1回
両立支援等助成金 支給申請の手引き(2024年度版)を基に筆者作成

育児休業等に関する情報はいつの情報ですか?

原則として、支給申請日の属する事業年度(公表事業年度)の直前の事業年度(公表前事業年度)の情報です。

例外(支給申請日が直前の事業年度終了日から3か月以内で集計や情報公表が困難な場合)

支給申請日の属する事業年度(公表事業年度)の2事業年度前の情報を公表してください。

新設企業など、公表する情報の対象年度に企業が存在しておらず、データが取得できない場合は、この助成金の情報公表加算の対象になりません。

育児休業等に関する情報の内容は?計算方法は?

この助成金の情報公表加算にかかわる育児休業等に関する情報とは次の3つです。

  • 雇用する男性労働者の育児休業等の取得割合
  • 雇用する女性労働者の育児休業の取得割合
  • 雇用する労働者(男女別)の育児休業の平均取得日数

なお、労働者とは、雇用保険被保険者に限る必要はありません。

雇用する男性労働者の育児休業等の取得割合

「支給申請日の属する事業年度」の直前の事業年度(公表前事業年度)における、次の①または②いずれかの数値(%、小数第1位以下は切り捨て)です。

ただし、公表前事業年度において、配偶者が出産した男性労働者数(①、②の分母となる値)が0人である場合には、当該欄には「-」を記載します。

①育児休業等の取得割合(%)②育児休業等と育児目的休暇の取得割合(%)
(育児休業をした男性労働者数)÷(配偶者が出産した男性労働者数){(育児休業等をした男性労働者数)+(育児目的休暇を利用した男性労働者数)}÷(配偶者が出産した男性労働者数)
※ 小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度(育児休業、育児・介護休業法第16条の2に規定する子の看護休暇等の法定の休業・休暇と別に設けた制度であって、目的の中に育児を目的とするものであることが明らかにされている休暇制度)
育児目的休暇の例
  • 失効年次有給休暇の育児目的での使用
  • 「配偶者出産休暇」「育児参加奨励休暇」等の休暇制度
  • 子の入園式・卒園式等の行事や予防接種等の通院のための勤務時間中の外出を認める制度(法に基づく子の看護休暇を上回る範囲に限る)

雇用する女性労働者の育児休業の取得割合

「支給申請日の属する事業年度」の直前の事業年度(公表前事業年度)における、次の数値(%、小数第1位以下は切り捨て)です。

ただし、公表前事業年度において、出産した助成労働者数(分母となる値)が0人である場合には、当該欄には「-」を記載します。

雇用する女性労働者の育児休業の取得割合(%)
(育児休業をした女性労働者数)÷(出産した女性労働者数)

雇用する労働者(男女別)の育児休業の平均取得日数

男女別の育児休業の平均取得日数の実績について、男女労働者別のそれぞれの数値を以下a~dのいずれかの方法により算出の上、算出方法(a~dのいずれを選択したか)とともに当該サイトの「育児休業等の取得の状況に関する備考」欄で公表する必要があります。a~dの数値の単位は日で、小数第1位以下は切り捨てます。

a 子どもが1歳までの平均育児休業取得日数

(公表前々事業年度に出生した子の1歳までの合計育児休業取得日数)÷(当該育児休業取得労働者数)

b 子どもが2歳までの平均育児休業取得日数

(公表3事業年度前に出生した子の2歳までの合計育児休業取得日数)÷(当該育児休業取得労働者数)

c 公表前事業年度に復職した労働者の平均育児休業取得日数

公表前事業年度に復職した労働者の合計育児休業取得日数)÷(当該育児休業取得労働者数)

d 公表事業年度に育児休業を開始した労働者の平均育児休業取得予定日数

公表事業年度に育児休業を開始した労働者の合計育児休業取得予定日数)÷(当該育児休業取得労働者数)

dを選択できるのは、a~cのいずれの育児休業取得実績もない事業主に限ります。

a~dのいずれの計算方法にも該当する育児休業取得者がいない場合

a~dのいずれの計算方法にも該当する育児休業取得者がいない場合は、いずれか1つの計算方法を選択し、該当の計算方法による育児休業取得者がいない旨を公表します。

育児休業等に関する情報をいつまでに、どこに公表すればよいですか?

支給申請日までに、厚生労働省サイト「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画公表サイト」に「育児休業等に関する情報」を記載し、公表する必要があります。また、支給申請日から支給決定日までの間も当該サイト上で公表し続ける必要がありますし、さらに支給決定後も、少なくとも公表事業年度の終了までは、当該サイト上での公表に同意する必要があります。

「両立支援のひろば」で公表してください!

2023年4月施行の従業員1,000人を超える企業に義務付けられた男性労働者の育児休業取得率等の公表はインターネットなどの一般の方が閲覧できる方法での公表が認められるのですが、自社サイトなど「両立支援のひろば」以外の場での公表は、この加算の対象外ですので、ご注意ください。

まとめ

このコラムでは、両立支援等助成金における「育児休業等に関する情報公表加算」について、次の項目でまとめました。メインの両立支援等助成金申請と合わせて加算の方も忘れずに申請しましょう。

  • 情報公表加算ができる両立支援等助成金は何ですか?
  • 育児休業等に関する情報はいつの情報ですか?
  • 育児休業等に関する情報の内容は?計算方法は?
  • 育児休業等に関する情報をいつまでに、どこに公表すればよいですか?

この記事がなにかのお役に立てれば幸いです。

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