労働契約法の就業規則と労働契約の関係・労働条件の変更|不利益変更の原則と例外を解説

労働契約法の就業規則と労働契約の関係・労働条件の変更|不利益変更の原則と例外を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働契約法では、就業規則と労働契約の関係、労働条件の変更方法が定められています。

この記事では、就業規則の効力と不利益変更のルールについて解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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就業規則と労働契約の関係(第7条)

労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によります。

つまり「合理的な内容」+「周知」があれば、就業規則が労働契約の内容になります。

就業規則の最低基準効(第12条)

就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とし、無効となった部分は就業規則で定める基準によります。

個別の労働契約で就業規則より低い条件を定めても、その部分は就業規則の基準まで引き上げられます。

効力の優先順位 法令 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約

有利原則より、就業規則を上回る労働契約は有効です。

労働条件の変更(第8条)

労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができます。

原則は「合意」による変更です。

就業規則による不利益変更の原則禁止(第9条)

使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません。

一方的な不利益変更は原則NGです。

就業規則による不利益変更の例外(第10条)

変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が合理的なものであるときは、労働条件は変更後の就業規則の定めによります。

「周知」+「合理性」があれば、例外的に不利益変更も有効となります。

合理性の要件を満たすか確認

  • 変更の必要性を検討
  • 労働組合等と交渉
  • 代償措置・経過措置を検討
  • 周知を徹底

就業規則の周知(労働基準法第106条)

就業規則は、次のいずれかの方法で労働者に周知しなければ効力が生じません。

①常時各作業場の見やすい場所へ掲示・備付け ②書面を交付 ③電子的方法

むすび

労働契約法では、合理的な就業規則を周知していれば、それが労働契約の内容となります。

就業規則は労働契約の最低基準であり、これを下回る契約は無効です。

効力の優先順位は、法令>労働協約>就業規則>労働契約です。

労働条件の変更は原則として合意が必要であり、一方的な不利益変更は禁止されています。

ただし、周知と合理性があれば例外的に不利益変更も有効となります。

合理性の判断には、変更の必要性、労働組合との交渉、代償措置などが考慮されます。

適切な就業規則の運用が、円滑な労務管理の基礎となります。