労働組合法の不当労働行為|5つの類型と労働委員会による救済を解説

労働組合法の不当労働行為|5つの類型と労働委員会による救済を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働組合法には、使用者による労働者の団結権等の侵害を禁止する不当労働行為制度があります。

この記事では、不当労働行為の5つの類型と救済手続きについて解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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不当労働行為とは(第7条)

不当労働行為とは、使用者が労働者の団結権等を侵害する行為です。

労働委員会に救済申立てができます。

不当労働行為の5つの類型

不当労働行為には、次の5つの類型があります。

①不利益取扱い(第7条第1号)

次のことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されています。

  • 労働組合の組合員であること
  • 労働組合に加入し、または結成しようとしたこと
  • 労働組合の正当な行為をしたこと

②黄犬契約(第7条第1号後段)

組合に加入しないこと、脱退することを雇用条件とすることは禁止されています。

「黄犬(おうけん)契約」と呼ばれます。

③団体交渉拒否(第7条第2号)

正当な理由なく団体交渉を拒否することは禁止されています。

使用者には、誠実に交渉に応じる義務(誠実交渉義務)があります。

ただし、合意する義務まではありません。

正当な理由の例 交渉権限のない者が出席、義務的交渉事項でない等

④支配介入(第7条第3号)

次のことは禁止されています。

  • 労働組合の結成・運営を支配し、またはこれに介入すること
  • 労働組合の運営のための経費を援助すること(経費援助)

例外 福利厚生基金への寄付、最小限の広さの事務所供与、勤務時間中の協議・交渉による不就労時間に対する賃金支払は認められます。

⑤報復的不利益取扱い(第7条第4号)

労働委員会への申立て等を理由とする不利益取扱いは禁止されています。

不当労働行為の救済

不当労働行為には、次のような救済手続きがあります。

救済申立先 労働委員会

申立期間 行為の日から1年以内

救済命令の例 原職復帰命令、バックペイ(遡及賃金)、謝罪文掲示など

むすび

不当労働行為は、使用者が労働者の団結権等を侵害する行為です。

不利益取扱い、黄犬契約、団体交渉拒否、支配介入、報復的不利益取扱いの5つの類型があります。

使用者には誠実交渉義務がありますが、合意義務まではありません。

経費援助は原則禁止ですが、福利厚生基金への寄付や最小限の事務所供与は例外として認められます。

不当労働行為には労働委員会に救済申立てができ、行為の日から1年以内に申し立てる必要があります。

適切な労使関係の維持が、健全な職場環境の実現につながります。