労働基準法の基本原則|7つの重要原則を解説

労働基準法の基本原則|7つの重要原則を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働基準法には、労働条件や労使関係の基本となる7つの原則が定められています。

この記事では、第1条から第7条までの基本原則について解説します。

条文原則内容
第1条労働条件の原則人たるに値する生活
第2条労働条件の決定労使対等の原則
第3条均等待遇国籍・信条・社会的身分による差別禁止
第4条男女同一賃金性別による賃金差別の禁止
第5条強制労働の禁止意思に反する労働の強制禁止
第6条中間搾取の排除他人の就業に介入して利益を得ることの禁止
第7条公民権行使の保障選挙権等の行使のための時間の保障
林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
-----------------
博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
-----------------
医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
-----------------
オンライン相談(Zoom)で全国対応
まずは無料相談(30分)から
【無料相談お申し込み】

労働条件の原則(第1条)

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければなりません。

この基準は最低のものであり、向上を図るよう努めなければなりません。

労働基準法は最低基準を定めたものであり、それ以上の労働条件を目指すことが求められています。

労働条件の決定(第2条)

労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものです。

これを「労使対等の原則」といいます。

一方的な労働条件の押し付けは許されず、労使が対等な立場で話し合って決定することが原則です。

均等待遇(第3条)

国籍、信条、社会的身分を理由とした賃金・労働時間その他の労働条件についての差別的取扱いが禁止されています。

ただし、「性別」は第3条には含まれていません。性別による差別は、第4条で別途規定されています。

第3条(均等待遇)の詳細

差別禁止事由内容
国籍外国人であることを理由とした差別
信条政治的信条、宗教的信条等
社会的身分生来的な地位(出身地等)

第3条に含まれないもの

事由規定する法律
性別労働基準法第4条、男女雇用機会均等法
障害障害者雇用促進法
年齢雇用対策法(労働施策総合推進法)

男女同一賃金の原則(第4条)

女性であることを理由とした賃金についての差別的取扱いが禁止されています。

賃金以外の差別については、男女雇用機会均等法で規定されています。

強制労働の禁止(第5条)

暴行、脅迫等による意思に反する労働の強制が禁止されています。

項目内容
罰則1年以上10年以下の懲役
又は
20万円以上300万円以下の罰金
特徴労働基準法で最も重い罰則(労働基準法第107条)

中間搾取の排除(第6条)

他人の就業に介入して利益を得ることが禁止されています(例外:法律に基づく許可を受けた場合)。

項目内容
禁止行為他人の就業に介入して利益を得ること
例外法律に基づく許可を受けた職業紹介事業等
罰則1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

公民権行使の保障(第7条)

選挙権その他公民としての権利を行使、公の職務執行のために必要な時間の保障

項目内容
公民としての権利選挙権、被選挙権、住民投票等
公の職務裁判員、証人、選挙立会人等
使用者の義務権利行使・職務執行のための時間を与える
注意点有給とする義務はない

むすび

労働基準法の基本原則は、労働条件の最低保障、労使対等、均等待遇、男女同一賃金、強制労働の禁止、中間搾取の排除、公民権行使の保障の7つです。

特に強制労働の禁止は最も重い罰則が科される重大な違反です。

これらの原則を理解することは、適切な労働環境を構築する上で不可欠です。