労働基準法には、法令の遵守を確保するための監督機関と罰則が定められています。
この記事では、監督機関の権限と罰則の内容について解説します。
監督機関
労働基準法の監督機関は、3層構造になっています。
- 厚生労働省:労働基準行政の総括
- 都道府県労働局:管内の労働基準行政
- 労働基準監督署:事業場への監督・指導
労働基準監督官の権限(第101条)
労働基準監督官には、次の権限があります。
- 事業場への臨検(立入検査)
- 帳簿・書類の提出要求、尋問
- 司法警察官としての権限(逮捕、送検等)
申告(第104条)
労働者は、法令違反の事実を労働基準監督署等に申告できます。
申告を理由とする解雇その他不利益取扱いは禁止されています。
罰則の種類
労働基準法違反には、次のような罰則があります。
最も重い罰則 強制労働の禁止違反:1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金
中間搾取の排除違反 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
多くの違反 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
年5日の時季指定義務違反等 30万円以下の罰金
付加金(第114条)
裁判所は、解雇予告手当、休業手当、割増賃金、年休中の賃金の未払いについて、未払金と同一額の付加金の支払いを命じることができます。
請求期間 違反があったときから5年以内(当分の間3年)
賃金請求権の時効(第115条)
賃金等の請求権には、時効があります。
- 賃金請求権:5年(当分の間3年)
- 災害補償等:2年
- 退職手当請求権:5年
むすび
労働基準法の監督機関は、厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署の3層構造です。
労働基準監督官には立入検査や司法警察官としての権限があります。
違反には罰則があり、強制労働の禁止違反が最も重い罰則です。
また、未払賃金等には付加金が命じられる場合があり、賃金請求権の時効は5年(当分の間3年)です。
労働者は法令違反を申告でき、申告を理由とする不利益取扱いは禁止されています。
