労災保険の複数業務要因災害|複数事業労働者への給付を解説

労災保険の複数業務要因災害|複数事業労働者への給付を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労災保険の複数業務要因災害は、複数の事業場で働く労働者が、複数の業務の負荷を要因として傷病等を被った場合の給付です。

この記事では、複数事業労働者の定義と給付内容について解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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複数事業労働者とは

複数事業労働者とは、被災時に事業主が同一でない2以上の事業に同時に使用されている労働者をいいます。

つまり、被災時に事業主が同一でない2以上の事業主と労働契約関係にある労働者です。

複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説|厚生労働省

複数業務要因災害とは

複数業務要因災害とは、2以上の事業の業務を要因とする傷病等をいいます。

1つの事業だけでは業務災害と認められないが、複数事業の負荷を総合評価すると労災認定される場合が該当します。

具体例 A社とB社で働いており、それぞれの長時間労働を合計すると過労による疾病の基準を満たす場合などです。

複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説|厚生労働省

給付基礎日額の算定

複数事業労働者の場合、すべての就業先の賃金を合算して給付基礎日額を算定します。

この算定方法は、業務災害・通勤災害・複数業務要因災害のすべてに適用されます。

複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説|厚生労働省

給付の種類

複数業務要因災害に関する保険給付には、次のようなものがあります。

  • 複数事業労働者療養給付
  • 複数事業労働者休業給付
  • 複数事業労働者障害給付
  • 複数事業労働者遺族給付
  • 複数事業労働者葬祭給付
  • 複数事業労働者傷病年金
  • 複数事業労働者介護給付

通常の労災保険給付と同様の種類が用意されています。

制度の施行

複数業務要因災害に関する制度は、令和2年9月1日に施行されました。

働き方の多様化に対応し、副業・兼業を行う労働者の保護を強化するために創設された制度です。

むすび

複数業務要因災害の制度は、副業・兼業が普及する現代の働き方に対応した労災保険制度です。

複数の事業場で働く労働者が、それぞれの事業場での業務負荷を総合的に評価して労災認定を受けられるようになりました。

給付基礎日額も全就業先の賃金を合算して算定されるため、より実態に即した補償が受けられます。

複数の事業場で働いている場合は、この制度の存在を知っておくことが重要です。

複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説|厚生労働省