労働保険の有期事業の一括は、建設業などの小規模な有期事業を一括して1つの継続事業として扱う制度です。
この記事では、一括の要件とメリットについて解説します。
有期事業の一括とは
有期事業の一括とは、建設業や立木の伐採の事業で、小規模な有期事業(工期が決まっている建設現場など)を一括して1つの継続事業として扱う制度です。
複数の小規模現場を個別に管理するのではなく、まとめて管理できるようになります。
一括の要件
有期事業の一括が認められるためには、次のすべての要件を満たす必要があります。
①事業主が同一であること 同じ事業主が行う複数の事業であることが必要です。
②それぞれの事業が、建設の事業または立木の伐採の事業であること 対象となる事業の種類が限定されています。
③それぞれの事業の規模が次のいずれかに該当すること
- 概算保険料の額が160万円未満
- 建設の事業:請負金額が1億8,000万円未満(消費税抜きの金額)
- 立木の伐採の事業:素材の見込生産量が1,000立方メートル未満
④それぞれの事業が、労災保険に係る保険関係のみ成立していること 雇用保険の保険関係が成立していない事業であることが必要です。
一括のメリット
有期事業の一括には、次のメリットがあります。
個別の事業ごとに保険関係の成立届出が不要 各現場ごとに保険関係成立届を提出する必要がありません。
年度更新で一括して申告・納付が可能 複数の現場をまとめて年度更新で処理できます。
事務手続きの大幅な簡素化 現場数が多い建設業者にとって、事務負担が大幅に軽減されます。
届出
有期事業の一括については、特別な届出は不要です。
要件を満たせば、法律上当然に一括されます。
ただし、年度更新では、どの現場でいくら使ったかの報告書の提出が必要になります。
提出書類
- 概算確定保険料申告書
- 一括有期事業報告書
- 一括有期事業総括表
注意点

むすび
有期事業の一括は、建設業などで複数の小規模現場を持つ事業主の事務負担を大幅に軽減する制度です。
要件を満たせば法律上当然に一括され、各現場ごとの保険関係成立届が不要になり、年度更新でまとめて処理できます。
建設業を営む中小事業主にとって、保険手続きを簡素化できる重要な制度です。
年度更新時には各現場の賃金総額を報告する必要がある点に注意が必要です。
