有期事業の一括と請負事業の一括は、どちらも建設工事でよく登場する制度ですが、目的と仕組みが異なります。
この記事では、2つの制度の違いと共通点をわかりやすく比較します。
2つの制度の違い
有期事業の一括と請負事業の一括は、どちらも建設の事業に関わる制度ですが、有期事業の一括は立木の伐採の事業も対象です。
目的や仕組みが異なるため、それぞれの特徴を整理しておくことが大切です。
有期事業の一括
有期事業の一括は、同一事業主の複数の小規模現場をまとめる制度です。
対象は、建設の事業と立木の伐採の事業です。概算保険料160万円未満かつ請負金額1億8,000万円未満(消費税抜き)の小規模な事業が要件となります。届出は不要で、要件を満たせば法律上当然に一括されます。
効果として、年度更新で一括して申告・納付ができるようになります。
請負事業の一括
請負事業の一括は、元請・下請の関係を1つの保険関係にまとめる制度です。
対象は、建設の事業のみです。数次の請負により行われる建設の事業が要件となります。届出は不要で、こちらも法律上当然に一括されます。
効果として、元請負人が下請労働者分も含めて保険料を負担します。
共通点
2つの制度には、次の共通点があります。
どちらも届出は不要で、要件を満たせば法律上当然に一括されます。また、どちらも労災保険のみの適用であり、雇用保険は各事業主が個別に適用します。
覚え方のポイント
有期事業の一括は「横の一括」です。同一事業主が持つ複数の現場を横並びでまとめるイメージです。
一方、請負事業の一括は「縦の一括」です。元請・下請という縦の関係を1つにまとめるイメージです。
対象事業は、有期事業の一括が「建設+立木の伐採」、請負事業の一括が「建設のみ」です。
両制度とも「労災保険のみ」「届出不要」という点は共通しています。
むすび
有期事業の一括は同一事業主の小規模現場を横にまとめる制度、請負事業の一括は元請・下請の関係を縦にまとめる制度です。
共通点として、どちらも届出不要で法律上当然に一括され、労災保険のみが対象です。
「横の一括」と「縦の一括」というイメージで整理すると、2つの制度の違いがわかりやすくなります。


