前回の労働協約に続き、この記事では労働委員会と不当労働行為の救済手続きについて解説します。
労働委員会は、労使紛争の解決や不当労働行為の救済を担う重要な機関です。
労働委員会とは(第19条から)
労働委員会とは、労働争議の調整や不当労働行為の審査等を行う行政委員会です。
中央労働委員会(中労委) 国の機関、厚生労働大臣所轄
都道府県労働委員会(都労委等) 都道府県の機関、都道府県知事所轄
労働委員会の構成
労働委員会は、使用者委員、労働者委員、公益委員の三者構成(各同数)です。
委員の任命
- 使用者委員は使用者団体の推薦を得て任命
- 労働者委員は労働組合の推薦を得て任命
- 公益委員は「両議院の同意」を得て任命(中央労働委員会)、都道府県知事が任命(都道府県労働委員会)
労働委員会の主な権限
労働委員会には、次の3つの主な権限があります。
①不当労働行為の審査・救済命令
②労働争議の調整 あっせん・調停・仲裁
③労働組合の資格審査
不当労働行為の救済手続き
不当労働行為の救済手続きは、次のとおりです。
①申立て 行為の日から1年以内に都道府県労働委員会へ
②審査 調査・審問を経て事実認定(審問の途中でも、三者委員の勧告により「和解」で円満解決を目指すことも可能)
③命令 救済命令または棄却命令
④再審査 命令に不服がある場合、中央労働委員会へ再審査申立て(命令交付日から15日以内)
⑤取消訴訟 命令に不服がある場合、裁判所へ出訴(命令交付日から30日以内)
取消訴訟の管轄
- 中央労働委員会の命令:東京地方裁判所
- 都道府県労働委員会の命令:各地方裁判所
救済命令の種類
救済命令には、次のような種類があります。
- 原職復帰命令:解雇された労働者を元の職場に戻す
- バックペイ命令:解雇期間中の賃金相当額の支払い
- ポストノーティス命令:謝罪文等の掲示
- 団体交渉応諾命令:団体交渉に応じるよう命令
- 支配介入禁止命令:組合活動への介入をやめるよう命令
救済命令の効力
救済命令の効力は、次のとおりです。
再審査申立て+取消訴訟なし 命令交付日から30日経過で確定
再審査申立て+取消訴訟あり 最終的な命令・判決で確定
緊急命令 命令の全部または一部に従う旨を裁判所が命令
労働組合の資格審査
労働委員会は、次の場合に労働組合の資格審査を行います。
- 法人登記をする場合:労働委員会の資格証明が必要
- 不当労働行為の救済申立て:申立て資格の審査
- 労働協約の地域的拡張適用:申立て資格の審査
むすび
労働委員会は、使用者委員、労働者委員、公益委員の三者構成で、不当労働行為の審査・救済命令、労働争議の調整、労働組合の資格審査を行います。
不当労働行為の救済手続きは、申立て(1年以内)→審査→命令→再審査(15日以内)→取消訴訟(30日以内)という流れです。
救済命令には原職復帰、バックペイ、謝罪文掲示などがあります。
労働委員会の適切な機能により、労働紛争の公正な解決が図られます。
