国民年金制度とは?基礎から分かる年金制度の第一階層

国民年金制度とは?基礎から分かる年金制度の第一階層 労働社会保険諸法令の基礎知識

国民年金は、日本の年金制度の土台となる基礎年金制度です。

昭和36年4月1日に施行され、「国民皆年金」を実現する仕組みとして、すべての国民に老後の生活保障を提供しています。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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加入対象者と被保険者の種類

日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象です。日本国籍の有無にかかわらず、外国人も含まれます。

国民年金の被保険者は、就労形態や配偶者の有無により3つに区分されます。

第1号被保険者:自営業者、学生、無職の方など(第2号・第3号以外の方)

第2号被保険者:厚生年金に加入している会社員や公務員。厚生年金と国民年金に同時加入している形になります。

第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)。保険料の個別負担はありませんが、国民年金の被保険者として扱われます。

教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?(厚生労働省)

国民年金制度の5つの特徴

1. 保険料納付は法律上の義務:任意ではなく、法律により加入と保険料納付が義務付けられています。

2. 世代間扶養の仕組み:現役世代が納める保険料で、現在の高齢世代を支える賦課方式を採用しています。

3. 3つの給付:老齢・障害・遺族の3つの事由に対して年金給付を行います。

4. 国庫負担:年金財政の一部(基礎年金給付費の2分の1)は国庫が負担しています。

5. 税制上の優遇:納付した保険料は、全額が社会保険料控除の対象となります。

企業の人事担当者の方へ

従業員が退職後に国民年金への切替手続きを怠ると、未納期間が発生し将来の年金額に影響します。退職時には、国民年金への加入手続きについて適切に案内することが重要です。

参考|退職後の年金手続きガイド