労災保険の第三者行為災害は、第三者の行為によって労災が発生した場合の特別な取扱いです。この記事では、調整の仕組みと示談時の注意点について解説します。
第三者行為災害とは
第三者行為災害とは、労災保険の給付原因である災害が第三者の行為によって生じた場合をいいます。
典型例 通勤中の交通事故で加害者がいる場合が代表的な例です。
この場合、労災保険による給付と、加害者に対する損害賠償請求の両方が考えられるため、調整が必要になります。
届出義務
被災労働者は、「第三者行為災害届」を遅滞なく所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
この届出により、政府が第三者への求償を行うための情報を把握します。
調整の仕組み
第三者行為災害では、労災保険給付と損害賠償の間で調整が行われます。調整には2つのパターンがあります。
①求償 労災保険から先に給付が行われた場合、政府が給付した価額の限度で第三者に損害賠償を請求します。
②控除 第三者から先に損害賠償を受けた場合、その価額の限度で労災保険給付を行いません。
調整の対象
労災保険における給付の種類によって、調整の有無が異なります。
保険給付 調整の対象となります。損害賠償との間で調整が行われます。
特別支給金 調整の対象外です。損害賠償の有無に関係なく支給されます。
示談時の重要な注意点
第三者との示談については、特に注意が必要です。
示談成立後のリスク 示談が成立した後は、示談の内容によっては労災保険給付が受けられなくなる場合があります。
示談前の相談が重要 示談を行う前に、必ず労働基準監督署に相談することが重要です。示談の内容が適切でないと、後で労災保険給付が制限される可能性があります。
むすび
第三者行為災害は、労災保険と損害賠償の両方が関係する複雑な制度です。
被災した場合は速やかに第三者行為災害届を提出し、示談を行う前には必ず労働基準監督署に相談することが大切です。
特に、示談成立後は労災保険給付が制限される可能性があるため、慎重な対応が求められます。

