労働安全衛生法の健康診断①(一般健康診断)|雇入時・定期健康診断の実施義務を解説

労働安全衛生法の健康診断①(一般健康診断)|雇入時・定期健康診断の実施義務を解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

労働安全衛生法では、労働者の健康を守るために健康診断の実施が義務づけられています。この記事では、一般健康診断の種類と実施方法について解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
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博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
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医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
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健康診断の種類

健康診断には、次の3つの種類があります。

①一般健康診断(第66条第1項) すべての労働者を対象とする健康診断です。

②特殊健康診断(第66条第2項) 有害業務に従事する労働者を対象とする健康診断です。

③臨時の健康診断(第66条第4項) 有害物質への曝露など特別な事情がある場合に実施する健康診断です。

一般健康診断の種類

一般健康診断には、次の5つがあります。

  • 雇入時の健康診断
  • 定期健康診断
  • 特定業務従事者の健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 給食従業員の検便

雇入時の健康診断

雇入時の健康診断は、次のとおりです。

対象 常時使用する労働者(週の労働時間が正社員の4分の3以上の短時間労働者も対象)

時期 雇入れの際

項目の省略 不可(医師の判断による省略は認められません)

ただし、入社前3か月以内に実施した健康診断結果を提出し、項目が充足していれば、その項目については受診に代えることが可能です。

定期健康診断

定期健康診断は、次のとおりです。

対象 常時使用する労働者(週の労働時間が正社員の4分の3以上の短時間労働者も対象)

頻度 1年以内ごとに1回

項目の省略 医師が必要でないと認める場合、一部省略可能です(年齢等による)。

会社指定の病院以外で受けてもいい?

結論、OKです(第66条5項)。

「どうしてもいつもの主治医に診てほしい」という方は、自分で健診を受けて、その結果(法定項目を満たすもの)を会社に提出すれば受診したとみなされます。

ただし、その場合の受診費用はすべて会社負担になるとは限りません。法定項目の健康診断にかかる費用は会社負担になります(法定外の健康診断を会社が負担する義務はありません)。一般的には、会社で健康診断を受けたしたときの費用を目安にが会社負担の上限金額を社内規定で定めていますので、事前に社内規定を確認しましょう。

むすび

労働安全衛生法では、一般健康診断として雇入時の健康診断と定期健康診断などが義務づけられています。

対象は常時使用する労働者で、短時間労働者も週の労働時間が正社員の4分の3以上であれば対象となります。

雇入時は項目の省略ができませんが、定期健康診断は医師の判断で一部省略可能です。

会社指定以外の病院での受診も認められており、柔軟な対応が可能です。

適切な健康診断の実施が、労働者の健康管理の基礎となります。

パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう|厚生労働省