労災保険の特別加入制度は、本来は労災保険の対象外である事業主や自営業者などが、任意で労災保険に加入できる制度です。この記事では、加入対象者の種類と給付基礎日額について解説します。
特別加入制度の趣旨
特別加入制度は、本来は労災保険の対象外ですが、業務の実態等から労働者に準じて保護する必要がある一定の方に、特別に任意加入を認めた制度です。
特別加入者の4つの種類
特別加入制度の対象者は、次の4つに分類されます。
①中小事業主等
- 中小事業主及びその事業に従事する者(家族従事者等)
- 労働保険事務組合に事務委託することが加入要件となります
なお、家族従事者は事業主と同居及び生計を一にするものであり、原則として労働基準法上の労働者には該当しません。しかし、事業主が同居の親族以外の労働者を使用し、業務を行う際に、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること、また、就労形態が当該事業場の他の労働者と同様であれば、家族従事者であっても労働者として見なされる場合があります。
特別加入制度とは何ですか。|厚生労働省
労災保険 特別加入制度のしおり<中小事業主用>R7.1|厚生労働省
②一人親方その他の自営業者
- 建設業の一人親方
- 個人タクシー、個人貨物運送業者
- 漁船による漁業従事者
- ITフリーランス
- その他
特別加入団体を通じて加入します。
労災保険 特別加入制度のしおり<一人親方その他の自営業者用>R6.7|厚生労働省
③特定作業従事者
- 農業の特定作業従事者
- 家内労働者
- 介護作業従事者
- その他
労災保険 特別加入制度のしおり<特定作業従事者用>R7.1|厚生労働省
④海外派遣者
- 海外の事業場に派遣される労働者
- 開発途上地域への技術協力従事者
- その他
労災保険 特別加入制度のしおり<海外派遣者用>R7.1|厚生労働省
給付基礎日額
特別加入者の給付基礎日額は、3,500円から25,000円の範囲内で、申請者が選択して申請します。
この給付基礎日額が、労災保険給付の計算の基礎となります。
保険料
特別加入制度の保険料は、次の計算式で算出されます。
年間保険料 = 給付基礎日額 × 365日 × 事業別に定められた保険料率
給付基礎日額を高く設定すると、給付額は増えますが、保険料も高くなります。
その他の注意点
特別加入にあたっては、加入時健康診断が必要な場合があります。
加入を検討される場合は、労働保険事務組合や特別加入団体に確認することをおすすめします。
むすび
特別加入制度は、事業主や自営業者など本来は労災保険の対象外である方々を保護するための重要な制度です。
業務の実態に応じて、労働者と同等の保護を受けることができます。
給付基礎日額は申請者が選択できるため、自身の所得や必要な保障を考慮して適切な金額を設定することが大切です。
最新の情報は厚生労働省ウェブサイトでご確認ください。

