通勤災害認定の基本的な考え方|逸脱・中断のルールを解説

通勤災害認定の基本的な考え方|逸脱・中断のルールを解説 労働社会保険諸法令の基礎知識

通勤中のケガは労災保険の「通勤災害」として補償されますが、すべての移動が対象になるわけではありません。この記事では、通勤災害認定の基本ルールを分かりやすく解説します。

林 利恵

Rie HAYASHI, MPH, PhD
-----------------
博士(医学)
特定社会保険労務士
東豊社労士事務所 代表
-----------------
医学研究者から社労士へ転身
労働衛生の専門知識を活かし
・就業規則作成
・メンタルヘルス対策
・両立支援
を得意としています
-----------------
オンライン相談(Zoom)で全国対応
まずは無料相談(30分)から
【無料相談お申し込み】

通勤災害とは

労災保険法では、通勤を「労働者が就業に関し、合理的な経路・方法により移動すること」と定義しています。

ただし、会社から業務として指示された移動は「通勤」ではなく、業務災害の対象になる可能性がありますので注意が必要です。

通勤の3つの類型

通勤として認められる移動には、次の3つの類型があります。

①住居と就業場所との往復 自宅から会社への通勤が典型例です。

②就業場所から他の就業場所への移動 複数の勤務先で働く場合、A社からB社への移動も通勤に該当します。

③単身赴任先住居と帰省先住居間の移動 単身赴任者が週末に家族の住む自宅へ帰省する移動も通勤として認められます。

逸脱・中断の考え方

合理的な経路を外れることを「逸脱」、移動と関係ない行為を行うことを「中断」といいます。

逸脱・中断が発生すると、その後は原則として通勤に該当しなくなります。

ただし例外として、日常生活上必要な行為の場合は認められます。

  • 日用品の購入
  • 病院受診
  • 選挙権の行使
  • その他これらに準ずる行為

これらの行為の後に、合理的な経路に戻った後は、再び通勤として認められます。

むすび

通勤災害の認定には、合理的な経路・方法での移動が前提となります。日常生活上必要な最小限の逸脱・中断は認められますが、プライベートな用事での大幅な経路変更は通勤に該当しなくなる可能性があります。通勤経路の届出や、万が一の事故の際は速やかに会社へ報告することが大切です。

通勤災害について|東京労働局

労災保険請求のためのガイドブック<第二編>|厚生労働省